睡眠が大事な理由。睡眠中に起こる5つの効果。
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意識して睡眠をとっていますか?

睡眠は人間にとって大事な行為であり、睡眠の効果も様々な研究で明らかになってきました。

しかし、特に日本人は睡眠時間が短くなってしまっており、理想的な睡眠時間を取れていない人が半数以上います。

この記事では睡眠が大事だと言われる理由について解説していきたいと思います。

睡眠が大事な理由

その1:自律神経を整えて脳と身体を休める

睡眠を取ると疲れがとれるのはみなさん体感的に知っているでしょう。

疲れたら眠くなるように、睡眠は身体を休める最も有効な手段です。

睡眠中は脳にも休息になるので、睡眠を取った後は頭もスッキリしているはずです。(スッキリしていない場合は睡眠の質が悪いか睡眠時間が足りません。)

人間には自律神経があり、交感神経と副交感神経が切り替わることで活動的に過ごしたり、ゆっくり休んだりします。

日中は活動的な交感神経が優位になり、夜になると副交感神経が優位になり身体を休める準備をします。

睡眠は副交感神経の働きを高めてくれます。

近年、特に日本では睡眠時間が短くなってしまっていて、自律神経のバランスも乱れています。

交感神経の働きが高く、副交感神経の働きが低くなっている人が多いのです。

自律神経の乱れから不眠症の人も増えていますが、、その原因として照明器具や電子機器の発達が影響していると考えられます。

人間の身体は太陽の光を浴びる事で交感神経が刺激されて覚醒し、夕暮れ時になると徐々に副交感神経に切り替わり、身体が休む準備をしますが、夜になっても照明器具の光やテレビ、パソコンなどのライトを見たりと、視覚から刺激されて覚醒する時間が長くなっています。

睡眠が阻害されると身体や脳の休息もうまくとれなくなり、自律神経のバランスが乱れてしまい、不眠症や様々な体調不良を引き起こす原因となります。

個人差はありますが、睡眠時間は7~8時間とるのが望ましいと言われています。

睡眠不足では仕事やスポーツなどのパフォーマンスが落ちることが分かっています。

翌日のパフォーマンス低下にならないように、睡眠時間はしっかり確保し、脳と身体を休めたいものです。

その2:記憶の整理

睡眠によって、脳の記憶の定着や不要な情報の消去など、記憶の整理が行われるという知見が多いです。

学生の頃、テスト前には一夜漬けで勉強していたが、いかに非効率的だったのか……。

学習して、睡眠をとることで学習内容が脳へしっかりと記憶されていくのなら、やはり睡眠時間を確保して学習するのが一番学習効率が良さそうです。

睡眠中の記憶に関しては、現在では以下のような概念があるようです。

・レム睡眠中、エピソード記憶が固定される

・睡眠初期(最初の90分)のノンレム睡眠時に嫌な記憶が消去される。

・睡眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠時に身体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶が)固定される。

*レム睡眠は身体が休んで脳が起きている状態、ノンレム睡眠は脳も身体も休んでいる状態

嫌な事があったが、一晩しっかり寝たらスッキリしてあまり気にならなくなった経験がある人も多いでしょう。

これも記憶が整理された影響でしょう。

睡眠初期の最初のノンレム睡眠(深い睡眠)中に、脳の海馬(一時的に記憶を保存している場所)から大脳皮質(長期的に記憶を保存する場所)に情報を移動させている事も分かってきているようです。

これからも研究が進んで知見が増えると色々と分かってくることがあるでしょうが、現時点でも効率よく記憶するためには睡眠は必須という事は変わらないでしょう。

その3:ホルモンバランスの調整

睡眠によって脳が休まることによって体内のホルモンバランスも良好な状態で保たれます。

睡眠の質が良ければ生活習慣病の予防や改善にも期待できるそう。

特に成長ホルモンは睡眠初期のノンレム睡眠の質で分泌量が左右されます。

その分泌量は、質の良いノンレム睡眠なら70~80%と言われており、いかに睡眠の質が大事か分かります。

成長ホルモンは細胞の成長や新陳代謝の促進をしてくれるので子供の成長を促すのはもちろんの事、大人でも子供の時ほどの分泌量はないものの分泌されており、成長ホルモンのおかげで骨を丈夫に保ったり、筋肉を発達させる事ができる大事なホルモンです。

人間の体内時計との関係もあり、本来なら寝ている時間に寝ていると成長ホルモンがちゃんと分泌されますが、その時間に寝ていないとほとんど分泌されないようです。

子供を早く寝せ規則正しい生活をさせた方が良いのは、この成長ホルモンの分泌の関係からも明らかですし、大人であっても生活習慣病や老化防止のために日付が変わる前に入眠したいものです。

この他にも、睡眠の質が良ければ食欲を抑制してくれる「レプチン」が増え、食欲を増加する「グレリン」が減ります。

睡眠が肥満や糖尿病などとも関係してくるのは、このような食欲と関係するホルモンのバランスにも影響されるからでしょう。

生殖や母性とも関係するプロラクチンというホルモンも成長ホルモンと同じような条件で分泌量が変わるようです。

近年の晩婚化や未婚、少子化などは様々な理由があるかと思いますが、睡眠時間の減少との関連もあるのではないでしょうか。

その4:免疫力アップ

免疫力は自律神経のバランスと深い関係にあります。

前述したように、睡眠をきちんと取ることによって自律神経のバランスが整えられるので、当然免疫力もアップします。

風邪をひいてしまったときを思い返すと、寝不足からの疲労の蓄積があるはずです。

睡眠がとれて疲労がなければ免疫力は高いので、細菌やウイルスが体内に侵入してきても病気を発症させる前に撃退できるのです。

免疫力が高まると、風邪の予防はもちろんの事、自己免疫疾患であるリウマチやアレルギー症状も軽減させることが可能です。

その5:脳の老廃物を排除

脳は脳脊髄液という脳を保護する作用のある液体に漬かっている。

この液体があるおかげで、脳への衝撃は吸収されて脳の損傷が起こりにくくなってくれている。

この脳脊髄液は一日を通して入れ替わっており、新しい脳脊髄液が出来て、古い脳脊髄液が排出されるときに、脳の老廃物を一緒に排出してくれるようになっている。

脳の老廃物が溜まりやすいのは、脳をよく使う日中です。

そして、脳脊髄液の排出が一番起こりやすいのが、脳をあまり使わない時間帯、つまり「睡眠している時」です。

マウスを使った実験で、睡眠を制限したマウスは脳の老廃物が溜まり、睡眠をとらせると下がったという研究結果があり、人間においても同様の事が言えそうです。

まとめ

睡眠はきちんと取った方が良いという5つのメリットについてご紹介しました。

適切な睡眠によって自律神経や免疫力、ホルモンバランスなどが整えられ、相互作用しあう事で人間の体調を管理しているわけです。

一日が24時間の中で、1/3に当たる8時間が睡眠の推奨量であることは、それだけ人間の身体のメンテナンスにも時間がかかるという事でしょう。

意識的に睡眠を取ることはお金もかかりませんし、病気を予防してくれる効果絶大な方法です。

ぜひ、ご自身の睡眠について一度見直してみてはいかがでしょう。

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