マインドフルネスは、不安や緊張を和らげ、ストレスを軽減する効果があります。
マインドフルネスとは、「今現在の自分自身を見つめる事」です。
不安や緊張などは未来や過去の出来事によって引き起こされる事がほとんどなので、現在起きている事に集中する事で、不安や緊張が軽減されます。
マインドフルネスというと瞑想や座禅のイメージで特別な時間を作らないと出来ないと思っている人もいるかと思いますが、実は日常生活の一部として取り入れる事も出来るのです。
今回は、簡単にマインドフルネスを日常生活に取り入れる方法をご紹介します。
作務(さむ)
マインドフルネスを行う上での「観察」のスキルを強化する手法として、この作務があります。
やり方は簡単です。
普段行っている家事動作に意識を向けるだけです。
イメージしやすいように一例を挙げます。
僕は毎日の洗濯物をたたむ作業で手の感覚に意識を集中するようにしています。
タオルや衣類の触れた質感やその感覚で触れた手で洗濯物を折る動きに意識を向けています。
たったこれだけです。
行う時間は一日5分程度で大丈夫です。
「どの雑事で行うか」と「どの感覚に集中するか」を事前に決めておきましょう。
行っている最中に別の事を考えだしたら、一旦考えるのを止めて、再度感覚に集中するようにしましょう。
慣れてくると自然に出来るようになってきます。
家事を一例に挙げましたが、「手を洗う」や「お茶を飲む」など普段何気なくやっている動作でも出来ます。
「手を洗う時の水の冷たさ」や「お茶の味や身体の中に流れ込んでいく感覚」など、その行為自体に意識を向ける事が出来れば良いのです。
マインドフルネスの定義は、「現在起こっている経験に注意を向ける心理的な過程」です。
マインドフルネスは、こういった日常生活の雑事や動作でも、その動きに意識を集中する事で行う事が出来るのです。
止想(しそう)
もっとも手軽に「停止」が出来る方法です。
呼吸に注意を向ける方法が一般的ですが、他のイメージを用いても構いません。
他のイメージの例は、「日常の雑音をただ聴く」とか「雲の流れをただ眺める」とかでも出来ます。
まずは、意識を向ける対象を決めます。
この時に意識を向ける対象については細かく設定しましょう。
呼吸での例を挙げると、「呼吸でお腹が膨らむ感覚」や「空気が鼻を通り抜けていく感覚」など。
先ほど例に挙げたイメージでは、「雑音に反応しない」とか「一つコレと決めた雲の流れを見つめる」とか。
「雑音に反応しない」とかは意外に難しかったりします。
普段、無意識のうちに音が聴こえたら、何が起こっているのか推測してしまいます。
「ドンっ」と音が鳴ったとしたら、「何か落とした?」とか考えてしまいますよね。
そういった思考が生まれても、ただ音を聴くに集中し直すといった感じです。
出来るだけリラックスした姿勢でゆっくりと腹式呼吸を始め、自分が選んだ意識を向ける対象に集中します。
始めてしばらく経つと、徐々に別の思考が生まれてくるのに気づきます。
「自分の悩み事」だとか、「この後の予定をどうしよう」だとか、「現在抱えているストレス」だとか。
そういった別の思考が発生したことに気づいたら、再度意識を向ける対象に注意を向け直すという事を繰り返します。
最初の方はこれを5分行う事から始めましょう。
注意が逸れる回数が少なくなってきたら、行う時間を延長していきましょう。
時間を延長する目安は、「5分間の中で注意が逸れる回数が10回以下」です。
まとめ
マインドフルネスを手軽に日常の生活に取り入れる方法として、作務と止想をご紹介しました。
「作務」では、普段行っている家事に合わせて行う事が出来ますし、止想は呼吸で行えます。
どちらも「どの感覚に集中するか」を事前に決めておき、その感覚に意識を向ける事で、日常生活の中でも簡単に実践できるようになっています。
最初はうまくできなくても構いません。
とりあえず始めてみることが大事です。
【参考書籍】
鈴木祐、無(最高の状態)、クロスメディアパブリッシング