胸郭出口症候群の原因が分かる!判別テストとストレッチ
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胸郭出口症候群には神経を絞扼(こうやく)してしまうポイントが3つあって、その中のどこが原因で起こっているのかを把握する事が重要です。

この3つのポイントのどこが原因かを探る方法は、いくつか徒手的なテストがあります。

今回は胸郭出口症候群の原因部位を探るためのテスト方法と部位別のストレッチ方法の一例をご紹介していきます。

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群とは手のしびれや脱力感、その他にも頭痛や自律神経の障害などを引き起こす疾患です。

この疾患は頸椎(首の骨)から出てきた腕の神経が、首の筋肉や鎖骨などの間を通って腕まで行くまでの道のりの途中の通り道が狭くなってしまい、神経がストレスを受けてしまう事で起こります。

詳しくはコチラ
胸郭出口症候群とは?症状と原因を分かりやすく解説します。

この胸郭出口症候群は3つの場所で神経が絞扼されやすいとされており、斜角間隙、肋鎖間隙、小胸筋下間隙の3つのポイントで神経が絞扼されてしまいます。

胸郭出口症候群はこの3つのポイントのどこが原因で起こっているのかを特定して対処しなければならないのですが、この特定が専門的な知識がないと難しいでしょう。

次の項でどの部位で起きているのかを調べるテストの中で、あまり知識がなくても出来そうなテストを紹介していきます。

胸郭出口症候群の原因別判定テスト

斜角間隙

・Morley(モーリー)テスト

斜角筋部分を圧迫して、痛みや上肢への放散痛が出ると陽性(疑わしい)。

斜角筋は鎖骨上窩(さこつじょうか)という鎖骨の上側にあるくぼみ部分を押すと圧迫できます。

肋鎖間隙

・Eden(エデン)テスト

これは誰かに橈骨動脈(とうこつどうみゃく)を確認してもらわないと出来ないテストです。

橈骨動脈とは脈拍を取る時の一般的な場所で、小中学生の時くらいに保健の授業かなにかで習う場所です。

手首の親指側を人差し指~薬指の3本で軽く押さえて脈を測るってしなかったですか?

アレです。

Edenテストは検査する人が橈骨動脈を押さえて、手を後ろに引っ張った状態での脈拍を確認するテストになります。

この時の姿勢は座って姿勢を伸ばしてから行いましょう。

後ろに引っ張った時に軽く下側に牽引するとさらに肋鎖間隙にかかるストレスを強める事が出来るので、分かりやすくなります。

普通の時の脈の状態と、後ろに引っ張った時の脈の状態とを比べて、脈の拍動が弱くなっていると陽性という事になります。

小胸筋下間隙

・Roos(ルース)テスト

両手を横から肩に水平の高さまで挙げて、手のひらを前側に向け肘を曲げます。

この状態を保ちながら、3分間指をグーパーし続けます。

3分間しても大丈夫であれば陰性(問題ない)。

上肢のしびれや脱力感が出現して3分間行う事が出来なければ陽性となります。

どのテストも陽性だと胸郭出口症候群が疑わしいと言えるテストになっています。

これらのテストで不調の原因の目星がついたところで、次はそれらを治すためのストレッチ方法をご紹介していきます。

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胸郭出口症候群のストレッチ

斜角間隙

斜角間隙は前斜角筋と中斜角筋、第一肋骨で作られるトンネル部分で神経の絞扼が起こってしまっているという事です。

斜角筋は頸椎から第一肋骨に付着する筋肉で、首を前に倒す動作や横に倒す動作を行う筋肉です。

肋骨を引き上げる作用もあり、呼吸補助筋としての機能もあります。

呼吸が浅いと、呼吸補助筋である斜角筋の緊張も高まっている場合がありますので、深呼吸なんかも斜角筋の緊張をやわらげる一つの手段となります。

それでは斜角筋のストレッチ方法をご説明します。

右側の斜角筋をストレッチするという設定で説明していきます。

まずは、左側の手で右側の鎖骨や肩に手を置きます。

この置いた手はストレッチした時に第一肋骨が挙がってこないように抑える役目をします。

次に天井をみるように首を上向きに反らして、伸ばしたい側と反対方向に(右の斜角筋を伸ばす場合は左側に)首を倒します。

これだけでも良いのですが、そこからさらに少し左側を向くように頭を回すとよりストレッチ効果が上がります。

肋鎖間隙

肋鎖間隙は鎖骨と第一肋骨の隙間です。

鎖骨と第一肋骨をつなぐ組織は、「前胸鎖靭帯」「肋鎖靭帯」「鎖骨下筋」になります。

これらの組織のストレッチと鎖骨の動きを改善させたいわけです。

鎖骨と第一肋骨の間はストレッチというよりは、指でマッサージして靭帯や筋肉をほぐしましょう。

やり方は簡単で、鎖骨の一番内側の下側に指を当て左右にずらすようにマッサージしながら、少しずつ鎖骨の内側から外側にずらしていきます。

これで先ほど挙げた靭帯や筋肉のマッサージがある程度できます。

また、鎖骨の動きも重要なんですが、鎖骨の動きは小さいので一般の方には少し分かりづらいかもしれません。

鎖骨と胸の真ん中にある胸骨との関節である、胸鎖関節部分の鎖骨側を軽く押して動かしたり、鎖骨の下側から押し上げるように動かすのも良い運動になります。

第一肋骨の動きには、先ほどの斜角筋のストレッチも有効です。

斜角筋が硬くなると第一肋骨は引き上げられてしまうので、鎖骨と第一肋骨との隙間は狭くなってしまいます。

肋鎖間隙が原因となっている場合は、鎖骨周囲のマッサージや斜角筋のストレッチが有効になります。

小胸筋下間隙

小胸筋下間隙は文字通りに小胸筋のストレッチが必要です。

小胸筋は胸の前側の筋肉で烏口突起という部分か第3~5の肋骨に付着している筋肉です。

ストレッチ方法は伸ばす側の腕を横側から肩を90°挙げ、肘も90°曲げます。

その手を壁際で引っ掛けるように当てて固定し、身体の向きを変えるように捻ります。

この動きだけで小胸筋のストレッチは可能です。

それ以外にも、脇の位置から少し内側に小胸筋がありますので直接マッサージなどをするのも有効です。

各部位におけるストレッチやマッサージ方法の一例をご紹介しました。

参考にして頂ければと思います。

まとめ

胸郭出口症候群の原因には3つのポイントがあり、そのポイントごとに必要なストレッチやマッサージの部位が異なります。

まずは原因となっている部位を見極める事。

今回紹介したテストで疑わしい場所を把握して、その部位に対してのストレッチやマッサージを行いましょう。

それでもなかなか改善しないようであれば、姿勢の問題や他の部位との兼ね合いなどもう少し複合的に診る必要があるかもしれません。

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