昨今は特に姿勢が悪い人が目立つようになった気がします。
子どものうちから姿勢が悪い人も多いです。
若いうちは姿勢が悪いのを気にはしても、治そうとする人はごく一部。
姿勢の悪さは年々効いてきますので、早めに治すようにした方が絶対に良いです。
この記事では姿勢を改善するための方法や「良い姿勢」について解説していきます。
良い姿勢とは?
姿勢を良くするためには、何をもって「良い姿勢」と言えるのかを知っておかなければなりません。
ココの認識が間違えていて、姿勢を意識しているのに腰痛になってしまっている人はけっこう多かったりします。
一般的に「姿勢が良い」と言われている状態は、背筋が伸びている状態をイメージする人が多いでしょう。
少し専門的に言うと、立位を横から見た状態で、
「耳たぶ(耳垂)-肩の中央(肩峰)-股関節の出っ張り(大転子)-膝蓋骨-外くるぶし(外果)」が一直線上に位置する姿勢が良い姿勢と言われています。
見た目としてはこれで良い姿勢に見えるのですが、実はここに落とし穴があります。
見た目上の良い姿勢を取ろうとしすぎて、主に背筋でガチガチに固めてしまっている場合は、良い姿勢に見えるのですが、意味としては悪い姿勢となってしまいます。
その理由は、体幹部分を直立にしようと意識するあまりに背筋を使ってしまうと、次の動きを妨げてしまいます。
姿勢とは「勢いのある姿」。
固めてしまっている姿に勢いは感じられませんよね。
武道でいうところの居着いていない状態です。
本当に良い姿勢というのは、体幹に軸が通っていて、力みがない状態のことを言います。
体幹の軸とは先ほどお伝えした頭から足までが一直線上に位置する状態で、この状態を筋肉の力みがない状態(脱力した状態)で取れることが、「良い姿勢」と言えるかと思います。
良い姿勢になるためのコツは、頭と足を上と下から引っ張られているイメージで立つと、頭から体幹の軸が整った良い姿勢がとりやすいと思います。
まずは試してみましょう。
姿勢を良くするためのエクササイズ
姿勢を良くするためには何が出来るのか、気になりますね。
ハッキリと言えることは、姿勢を良くするのは簡単ではないという事。
日ごろの身体の癖が姿勢に表れているので、自分の癖と向き合わなければなりません。
これから3つほど姿勢を良くする方法を挙げていきますが、参考にしてみてください。
壁際に立つ
壁を背に立ってみましょう。
たったこれだけですが、かなり重要な方法です。
誰しも姿勢を悪くしようとは思っていないのに、姿勢が悪いわけです。
自分のボディイメージが崩れている、もしくはボディイメージがちゃんと形成されていないから姿勢が悪いわけです。
この時に有効なのは他の指標です。
自分が真っすぐ立てているかなんて、分からない。
分かっていたら修正しますよね。
姿勢が悪い人は、自分の姿勢がどうなっているか正確に分かっていないんです。
真っすぐに立っているつもり、もしくは真っすぐかどうかすら感じていないわけです。
そんな状態で真っすぐを認識するにはどうしたら良いでしょうか?
この時に役立つのが直立の代表格である「壁」です。
壁が明らかに斜めになっているところなんてほとんどないじゃないですか?
壁は直立なんです。
その壁の力を借りて、立つ感覚を養う練習です。
壁を背にして、踵とお尻と両側の肩甲骨、後頭部をつけてみると、先ほど挙げた「耳たぶ(耳垂)-肩の中央(肩峰)-股関節の出っ張り(大転子)-膝蓋骨-外くるぶし(外果)」のラインが整うはずです。
普段から猫背気味の人は壁際で背筋を伸ばすような感じで良いですが、反り腰気味の人は腰と壁との隙間が大きいです。
腰と壁の隙間に簡単に手が入るようなら、反り腰傾向と言ってよいでしょう。
そのような場合は腰と壁の隙間に手を入れておいて、腰でその手を押しつぶすようにするエクササイズをしましょう。
壁を使って直立の感覚を掴んだら、その状態でできるだけ脱力していきましょう。
先ほど伝えた、頭と足を上下から引っ張られている感覚で立ちながら、自分の筋肉の緊張をゆるめていく作業をします。
そんなのよく分からないとなる人もいるでしょう。
最初は自分なりで良いです。
まずは自分の姿勢に、立った状態に、自分の身体に意識を向けることが重要だからです。
やっているうちに自分で試行錯誤しながらしていくと自分の身体の使い方が分かってきます。
なんだって練習しなければ上手になりません。
良い姿勢も練習なんです。
背骨を動かすエクササイズ
このエクササイズも壁を利用します。
壁際に立ち、後頭部は壁につけて足の位置は足一つ分前に出します。
この後頭部が壁についた状態から、壁に接触しているポイントを徐々に下の方に動かすようしましょう。
後頭部から首、背中、腰といった具合に頭から背骨のライン上で壁と接触させる所をずらしていくわけです。
このエクササイズはけっこう難易度が高いです。
背骨を一つ一つ動かしていく感覚で行わないときれいには出来ません。
最初は出来なくて良いです。
試行錯誤しながら、徐々に上達出来れば良いです。
最初からうまくできるのであれば、姿勢の事で悩みはないはずです。
背骨を一つ一つ動かそうとすることが大事なんです。
結局、姿勢は背骨の配列をどうできるかです。
背骨が細かに動かせるようになると、おのずと良い姿勢へと近づいていきます。
このエクササイズは背骨につくインナーマッスル「多裂筋」というものを活性化させてくれます。
この筋肉がうまく使えないとどうなるか?
背骨を動かすのに脊柱起立筋や腰方形筋などのアウターマッスルが主に働く身体になります。
多裂筋がうまく働いてくれないと、背中側の脱力が難しいわけです。
コレは背中や腰に張り感がある人にも効くエクササイズになっています。
胸郭の捻じれの動き
姿勢が悪い人はほとんど猫背です。
肩は前に出て巻き肩のようになり、背中が丸くなって胸に筋肉が硬くなり、肋骨の動きが少なくなり、胸椎(肩甲骨付近の背骨)の動きが硬くなっています。
これらを解消するためには胸郭の捻じれの動きが重要です。
胸郭とは胸椎と胸骨が肋骨で覆われている部位を指します。
この部分は頸椎と腰椎と違って、リング状に前後で繋がっているので、頸椎や腰椎よりも動きが硬くなりやすいです。
この胸郭の動きが悪くなっているために、頸椎や腰椎が過剰に動かざるおえなくなり、首の痛みや腰の痛みの原因になっていることも多いです。
前置きが長くなりましたが、胸郭の捻じれの動きを引き出してあげると猫背姿勢がより改善されます。
エクササイズの方法は、まず壁を背にして、足は肩幅程度に開いて、壁から足一つ分くらい離れた位置に立ちます。
この状態から背中側の壁に向けて、身体を捻りながら両手でタッチしにいきます。
柔軟性に問題がなければ、自分の真後ろを触れますが、皆さんはいかがでしょう?
身体が硬くて真後ろが触れれない人は、出来る範囲で構いません。
左右交互に何度も行っていくことで、徐々に出来るようになっていきます。
胸郭から骨盤、股関節周りの動きが出てくると、姿勢のちょっとした変化に軸を崩さずに修正できるようになってきます。
まとめ
良い姿勢とは、頭から足までが一直線上になっている状態を指します。
ただ、一直線上にあれば良いという単純なものではなく、力みなく体幹の軸が整った姿勢が良い姿勢といわれるものになります。
イメージとしては頭と足を上下から引っ張られている感じで立つと体幹の軸が通った状態になりやすいです。
エクササイズは立位で出来るものを3つほどご紹介しました。
姿勢は高齢者に近づくほど悩みになる人が増えますし、腰痛や首の痛みの原因になります。
若いうちから姿勢を意識しておくことで、将来の身体の悩みを減らしましょう。