自律神経は人間が生きていく上では欠かせない機能を持っており、この自律神経が乱れる事で様々な不調をきたしてしまいます。
この自律神経は日常の食生活や睡眠、ストレスなどの影響を受ける事で交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまいます。
自律神経を整える方法は様々あります。
ストレッチもその一つに当たり、自律神経を整えるストレッチ方法のポイントは「背骨の柔軟性」です。
今回は自律神経が整うストレッチ方法をお伝えします。
目次
自律神経を整えるポイントは「背骨」にある
自律神経を整えるためには自律神経の構造を知る必要があります。
なぜ、ポイントは背骨にあるのでしょうか?
それは自律神経の中枢が背骨に分布されているからです。
交感神経では胸椎(背骨)と腰椎(腰骨)に分布されており、副交感神経は脳幹という場所と仙骨(骨盤の骨)に分布されています。
脳幹という場所は脳になりますので、頭と密接な関係にある頸椎(首の骨)の状態と関連しています。
背骨の柔軟性がないと、その周りにある筋肉も硬くなってしまいます。
筋肉が硬くなるとその近くを走る血管やその周りの自律神経が圧迫されやすく、動きも悪くなってしまいます。
このような状態では自律神経の働きが悪くなり、バランスが崩れやすい状態となってしまいます。
逆に背骨の柔軟性があれば、多少自律神経のバランスが乱れるような出来事があっても、リカバリーが早く自律神経のバランスもすぐに整える事ができます。
このように背骨の柔軟性と自律神経の働きには密接な関係にあるのです。
では、背骨の柔軟性はどのようにみていくといいのでしょうか?
自律神経の乱れセルフチェック法
背骨の中でも交感神経は胸椎と腰椎、副交感神経は脳幹と仙骨でしたね。
それでは各パーツごとに動きをチェックしてみましょう。
胸椎のチェックポイント
ⅰ)横向きに寝て、股関節と膝は90°に曲げておきます。
ⅱ)上側の上肢は後頭部に手を置き、下側の手は太ももに置きます。
ⅲ)上側にある腕の肘を後ろに引くようにして身体を開き、上半身を捻ります。
この時骨盤や足の位置は極力動かさないようにして下さい。
肘が床につくのであれば柔軟性に問題はありません。
これともう一つ。
ⅰ)四つ這いの姿勢から踵がくっつくように足側を内側に移動させます。
ⅱ)そこから踵に乗せるようにお尻を後ろにさげ、両膝を外側に開きます。
ⅲ)手を前の方に滑らせながらバンザイするように身体を前に倒しながら背中を伸ばしていきます。
胸を床につけるイメージで行い、実際に床に胸がつけば柔軟性に問題はありません。
頸椎(首)のチェックポイント
まずは背筋を伸ばして座り、この時の頭の位置をチェックします。
横からみて、肩の位置と耳の位置が縦に真っすぐであれば問題ないでしょう。
横からは自分では確認できないので誰かに見てもらったり、スマホで写真を撮影して確認してみてください。
次に前からみてみます。
顔の中心を通るよう縦の線に対してズレはないでしょうか。
また、この時両肩の位置も同時にチェックします。両肩の高さは揃っていますか?
少しのズレなら誰にでもあります。
後から紹介する方法で整える事ができますので過剰に気にしないようにしましょう。
特に猫背になると背中が丸くなった分、頭の位置が前にきてしまいます。
こうなると、頭の重みを支えるために首の筋肉が常に働き続けなければなりません。
長時間パソコンやスマホなど扱っていると徐々にこのような姿勢になってしまいますのでご注意を。
腰椎、骨盤のチェックポイント
ⅰ)横向きに寝て両脚とも軽く曲げておきます。
ⅱ)上側の脚を胸にくっつけるように抱えこみます。
この時に胸に太ももがくっつけば柔軟性に問題ありません。
ⅲ)先ほどの状態から下側の脚を真っすぐ伸ばします。
この状態からでも太ももが胸につくのであれば柔軟性は問題ないでしょう。
どうでしたか?
背骨の柔軟性チェックで問題なければ大丈夫でしょう。
しかし、全てクリアしている人はほとんどいないのではないでしょうか?
次からはストレッチの方法をご紹介していきます。
柔軟性が悪かった部分を重点的にストレッチしていきましょう。
自律神経を整えるストレッチ法
実は胸椎と腰椎のチェックで行った方法はそのままストレッチ方法として活用することができます。
一回あたり10秒程度伸ばして戻すを繰り返し、3~5セットを目安に行いましょう。
ここからはその他のストレッチ方法をいくつか挙げていきます。
頚部のストレッチ
①仰向けまたは壁際に立ちます。この時後頭部を床や壁にくっつけます。
後頭部が離れないように注意しながら、おへその方を見るように顎を引きます。
この運動では後頭部の下にある後頭下筋という筋肉のストレッチと首の前側についているインナーマッスルが活性化され頭の位置のズレが修正されます。
②次は頭を横に倒して伸ばすストレッチです。
頭を倒す方の手を反対側の頭の耳の上に当て、ゆっくりと頭を横に倒していきます。
この時姿勢に注意しましょう。
背筋を伸ばし、頭の位置が身体に対して真上に来ている状態でストレッチをしましょう。
胸椎のストレッチ
①座った姿勢で足を外に開きます。
身体を少し前に倒し、両膝に手を当てます。
両肘を伸ばした状態を維持しながら、身体を捻ります。この時、身体の中心が左右にぶれないように注意してください。
椅子などでする場合は椅子のアームレストや背もたれ部分を掴むように身体を捻る方法でも出来ます。
②バスタオルをグルグル巻きにしてロール状にします。
このバスタオルを横向きに置き、その上に背中を乗せるように仰向けに寝ます。
両手をバンザイするように挙げ、身体全体を伸ばします。
タオルを下に置いておく事で、その部分が支点となり胸椎を重点的に伸ばすことが出来ます。
背中に置くポイントをずらしながら数回行いましょう。
腰椎・骨盤のストレッチ
①うつ伏せに寝ます。
その状態から両肘を立て、上半身を起こします。
この時の注意点は背骨を弓なりに反らすことと背筋の筋肉をできるだけ緊張させない(硬くしない)ように意識してください。
②仰向けに寝て両膝を立て、両手は横に広げておきます。
右脚を左脚の外側に組み、足の重みを利用しながら右側へ倒します。
上半身は出来るだけ真っすぐに保てるように両手でバランスをとりながら行いましょう。
10~15秒その姿勢をキープしたら、反対側も同様に行いましょう。
足を組んでする方法が難しいようであれば、両膝を横に倒すだけでもOKです。徐々に慣らしていきましょう。
部位別にストレッチ方法をご紹介しました。
できる範囲から行い、背骨の柔軟性を改善させて自律神経を整えましょう。
まとめ
自律神経と背骨は密接な関係にあります。
自律神経が乱れると背骨の柔軟性も悪くなり、背骨の柔軟性が悪いと自律神経も乱れやすい身体になります。
首の骨の頸椎と背中の胸椎、腰骨の腰椎の柔軟性を保つことが、自律神経のバランスを保つ事に繋がります。
今回紹介したチェックポイントとストレッチを行って、自律神経の状態を整えるのに役立てて下さい。