1/fゆらぎって聞いた事ありますか?
近年では1/fゆらぎの研究も行われており、音楽や扇風機、街づくりなど様々な方面で1/fゆらぎの効果が活用され始めています。
初めて「1/fゆらぎ」という言葉を聞いても、それが何なのかよくわからないでしょう。
僕の理解度も「なんか良いらしい。」くらいでした。
そこで、今回の記事では1/fゆらぎについてまとめるとともに、どのようなものに1/fゆらぎの効果が含まれているのかについてご紹介します。
目次
1/fゆらぎとは
1/fゆらぎを説明するためには、まず「ゆらぎ」とはどういう現象なのかを知る必要があります。
ゆらぎとは、「規則性がありながらも、パターンが一定でない現象」を示します。
また、「ものの予測が出来ない空間的・時間的変化や動き」とも表現されます。
一見規則性がありそうでありながらも、予測ができない部分が「ゆらぎ」という事になります。
具体例は後でいくつか挙げますが、「ゆらぎ」を分かりやすくするためにここで一つ例を挙げます。
ろうそくの炎やたき火の炎を思い浮かべて下さい。
ゆらゆらと規則的に動いていますか?
規則的に動いているようで、揺れ方は一定のパターンを取らないですよね!?
ゆらぎを調べてみて、僕が一番最初にしっくりとくるイメージできたのがコレなんですが、みなさんも何となくイメージが沸きましたか?
1/fのfは「f=Frequency(周波数)」の事。
1/fゆらぎとは、「パワースペクトルが周波数に反比例するようなゆらぎ」だそうです。
パワースペクトルってなんやねん?って思ったので、一応調べてみたのですが、パワースペクトルの意味については、あんまり理解していなくても大丈夫みたいです。
簡単に説明すると、パワースペクトルとは音響学の言葉で、横軸にHz(ヘルツ)縦軸にdB(デシベル)を取った棒グラフで表されているものらしいです。
この棒グラフが反比例(左が一番高くて、右にいくにつれて徐々に小さくなっているグラフ)しているものが、「1/fゆらぎ」となっているそうです。
1/fゆらぎの効果
この1/fゆらぎの効果はリラックス効果です。
人間がリラックスしている時の脳波はα波であり、そのα波と近い周波数であるため、心地よく感じてリラックス効果があると言われています。
1/fゆらぎは「音」に含まれている事が多くあります。
昔から音楽が親しまれてきたのは、音楽を演奏したり、聞くことによってリラックス出来るからでしょう。
モーツァルトやバッハなど後世に名を残す音楽家が手掛けたものには、やはり1/fゆらぎが含まれている曲が多いようです。
音楽に関しての研究もされています。
1/fゆらぎを持つ曲であっても、その人の好みで効果が薄れたりもするので、1/fゆらぎがある曲すべてが、全員にリラックス効果があるとは言えないようです。
1/fゆらぎは心地よく感じる人が多いけど、そこにはその人の好みが反映されるようです。
まぁ、あんまり好きでないと感じるのはどこまでいってもあんまり好きでないという事です。
「これ身体に良いから飲んでみて」ってまずい物を我慢して飲むみたいな感じですかね!?
1/fゆらぎであっても、それに不快感があるのであれば、その人にはリラックス効果はないと言ってよいでしょう。
身の回りの1/fゆらぎの具体例
1/fゆらぎは「自然なもの」に多くみられます。
人の心拍や小川のせせらぎ、鳥の囀り(さえずり)などなど。
海や山など自然がいっぱいの所にレジャーにいくと、リフレッシュ出来るのは1/fゆらぎに多く触れることができるためだと言えそうです。
1/fゆらぎの具体例を挙げてみましょう。
①心拍音
人間だけでなく動物などの心拍音には1/fゆらぎがあります。
心拍音は規則正しく拍動しているようで、微妙にパターンが変わったりと、まさしく「規則性がありながらも、パターンが一定でない現象」の代表例と言えるでしょう。
パートナーの心拍音などを聞くと落ち着くのは、1/fゆらぎの効果でしょう。
②波の音
波の音や小川のせせらぎなどの自然界の水の音にも1/fゆらぎが含まれています。
精神的に落ち込んだ時などに海を見に行きたくなるのも納得です。
③たき火やろうそくの炎
たき火やろうそくの炎など、火がゆらゆらと揺らぐ様にも1/fゆらぎがあります。
ろうそくの火の、あの独特のゆらめきは見ていて飽きませんし、ずっと見ていたくなります。。
キャンプファイヤーは今でこそレジャーの要素が強いですが、元々の発祥はみんなで火を取り囲んで見ていると心が落ち着くからだったのかもしれませんね。
④森林浴
山の中には1/fゆらぎ効果がたっぷりです。
鳥や虫の鳴き声、風によって揺れる木々や揺れる音など。
広大な自然の中にいると、自分の悩みが小さく感じてストレス軽減効果があるのにも納得ですね!
⑤木目
木目や年輪など、樹の持つ独特な模様にも1/fゆらぎの効果があると言われています。
木目も一見規則的に見えますが、一つ一つに違いがあり不規則性も含まれ、1/fゆらぎがあると言えるでしょう。
昔ながらの日本家屋などは、曲がった樹もうまく使って建てられていて、深い味わいのある家屋が多いです。
この日本家屋にも1/fゆらぎの効果があるようです。
⑥電車の揺れ
電車の揺れるパターンにも1/fゆらぎが含まれています。
電車で揺られていると眠たくなってくるのは、揺れるパターンが心地よいからです。
寝過ごしには注意ですね。
⑦気温や気候の変動
自然界に起こる、気温の変化や気候の変動にも1/fゆらぎがあると言われています。
日本では四季があり、その季節ごとに楽しみがあります。
春は桜で花見、夏は海や山や川、秋は紅葉、冬は雪など。
季節ごとの気温や太陽の日照時間などの変化を肌で感じるだけでも1/fゆらぎのリラックス効果があります。
ただし、空調設備が整い過ぎた分で現代人はこの気温の変化に鈍感になってしまっている人が多いです。
少し暑いと冷房、少し寒くなると暖房。
気温の変化に対して、自分の身体を合わせるのではなく、外部環境を合わせる事に慣れてしまうと、自分の身体の感覚は鈍感になり、気温や気候の変動を感じにくくなってしまいます。
これでは自然現象に含まれている1/f効果を感じる事が難しくなってしまっています。
自然の持つパワーを素直に受け止められるようにありたいですね。
それでは、最後にまとめをして終わります。
まとめ
ゆらぎとは、規則性がありそうで、パターンが一定でない現象の事でした。
1/fゆらぎは、そのゆらぎ方が「パワースペクトルが周波数に反比例するようなゆらぎ」で、その特定のパターンを持つゆらぎは自然界の物に多くみられます。
この1/fゆらぎにはリラックス状態に出るα波と同じような波長があるため、リラックス効果があると言われています。
炎の揺れ方や風、波や小川の水の音、樹が持つ木目や年輪などなど。
自然の物や手作りの物を見たり、触れたりする事で、1/fゆらぎが感じられます。
反対に機械で加工して精密に作られる大量生産品には、1/fゆらぎは失われてしまいます。
手作りの持つどこかあたたかい味わいは、1/fの効果なのでしょうね。
1/fゆらぎについてご紹介してきましたが、まだハッキリとは分かっていない部分もあるので、現段階としては自然な物や手作りの物には1/fゆらぎの効果が期待できるという理解で大丈夫でしょう。