自然治癒力の高め方。やってはいけない生活習慣とは。
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人間には自分で自分を治そうとする力があります。

自然治癒力と言われるこの力は現代社会では徐々に弱まっている傾向にあります。

生きていく上では「環境を変えるか、自分を変えるか」のどちらかで適応していく事が必要ですが、公衆衛生や設備が整った日本では環境が整い過ぎているため、自己の抵抗力が弱くなってきています。

環境が整っているのは別に悪い事ではないのですが、環境の力に頼ってばかりでは自分の自然治癒力が弱まってしまうので、抵抗力が弱くなっている現実は知っておくべきでしょう。

今回は自然治癒力を高めるポイントについてまとめてみました。

自然治癒力とは

自然治癒力とは元々から人間に備わっている自分を治す力の事です。

免疫力も自然治癒力の一種です。

切り傷がだんだんと治っていくのも、骨折した後に骨がくっつくのも自然治癒力です。

この自然治癒力があるおかげで人間は病気や怪我を治す事ができます。

医学の祖と言われるヒポクラテスも『病を医するのは自然なり』と言う言葉を残しています。

結局、病気や怪我を治すのは自分の中にある自然治癒力という事です。

この自然治癒力は回復力とも言えます。

自然治癒力が高いという事は病気や怪我の治りが早いと言えるでしょう。

病気や怪我の回復具合に個人差があるように、この自然治癒力には個人差が存在します。

自然治癒力は何に影響を受けるのか知っておくと、自分の自然治癒力を高める事ができそうですね。

また、自然治癒力は病気になる前の「予防」の観点でも非常に大事な力なんです。

次の項目では自然治癒力の高め方をお伝えしていきます。

自然治癒力の高め方

自然治癒力を高めるには、自律神経のバランスや食生活を整える事が大事です。

自然治癒力の大半は「血液の質」といっても過言ではないでしょう。

免疫細胞の中心である白血球や傷を塞ぐ作用のある血小板など血液中にある成分が身体を治癒する役目を持つからです。

この血液の質を高めるには栄養価の高い食生活が必要ですし、自律神経が働きをコントロールしている内臓(主には肝臓)で血を作る作業も必要です。

まずは、この二点を意識した生活を心掛けるだけでも自然治癒力は高まるでしょう。

そして、もう一つ重要な事を知っておいてほしいのです。

それは、「いかに外敵と戦った経験があるのか」も大事。

せっかくの免疫細胞も闘った経験がないと効果半減。

実は白血球の中のB細胞というのは闘った経験のある細菌やウイルスのデータを収集して次からの闘い方を効率よくする司令塔のような役目をもつ細胞もいます。

データがない敵と戦うよりはデータのある敵との方が闘いやすいですよね。

獲得免疫というのですが、水疱瘡(みずぼうそう)やおたふく風邪なんかは1回かかるとその後は同じ病気になる事はほとんどなくなりますよね!?

これは獲得免疫であるB細胞が相手のデータを記憶して倒し方を知っているからなんですよ。

自然治癒力を高めるためには自律神経や食事バランスを整えて「血液の質」を高める事と「いかに外敵のデータを持っているか」がポイントになるのですが、ここで今の日本社会に目を向けてみたいと思います。

今の日本は特に公衆衛生のレベルがかなり高く世界トップクラスです。

そもそも菌が存在しにくい環境なんです。

すごくありがたい環境なんですが、環境に守られ過ぎると個々の自然治癒力は弱まります

20年程前にO‐157という大腸菌が食中毒の原因になり世間を騒がせました。

このO-157って東京医科歯科大学名誉教授の藤田先生によると病原性大腸菌の中でも影響力は低く、病原性大腸菌の1/3程度しかないらしいのです。

それだけ人間の抵抗力が弱まっているという事でもあります。

それより前に生きてきた人達は菌への耐性を持っていたという事になります。

除菌などの習慣がなかった人達は耐性を持っていたという事実。

普段から菌に触れていないために抵抗力が落ちてしまっていますし、さらに現代社会ではその傾向が加速しているとも考えられますよね。

ここから、自然治癒力を弱めてしまう習慣を2つ例に挙げてみましょう。

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自然治癒力を弱める習慣

①過剰な服薬

最近ではちょっとした症状でもすぐに薬に頼ってしまう人が増えたように思います。

薬も使い方によっては素晴らしいものですが、常日頃から飲み続ける事には違和感を覚えます。

特に抗生物質の取り扱いには注意が必要です。

ただの風邪でも抗生物質を欲しがる人がいますが、結論を言うと風邪は抗生物質を飲んだからと言って早く治るものではありません。

免疫細胞の9割は腸内にいると言われますが、抗生物質を服用すると腸内の善玉菌なども一緒に死んでしまうので、腸内環境も乱れてしまいます。

腸内環境が乱れるという事は免疫細胞の働きも悪くなりますので、結果的に風邪は早く治らないし、自己免疫力は下がるしと良い事はありません。

必要な量の薬を医師が出してくれた場合は飲んだ方が良いでしょうが、無闇やたらに何でも薬を飲む事は避けましょう。

②過剰な消毒

日本は公衆衛生のレベルが世界トップクラスで世界的にみても特に清潔な環境になりましたが、過度な除菌・消毒には要注意。

皮膚には外からの外敵から身を守るために常在菌が存在しています。

この常在菌たちが皮膚を弱酸性に保つことで、バリア機能として働いています。

除菌をするとどうなるでしょうか?

この皮膚にある常在菌にも影響を及ぼしてしまい、バリア機能は一時的に機能しなくなります。

こうなってしまっては、反対に病原菌が付着しやすい環境を作ってしまいます。

アルコール消毒や除菌作用の強い石鹸を使うと、常在菌は1割程度にまで減ってしまいます。

まだ常在菌が残っていると、その後に再び増殖して12時間後にはバリア機能を元に戻す事が出来るそうですが、その間は外敵に対して弱い状態になっているという事。

最近の子供たちにアレルギーなどが多いのも、幼少期に菌に触れる機会が少ない事が原因とも考えられています。

近年、花粉症を発症する人が多いのも腸内細菌少なくなった事と関係している事が示唆されたり、食中毒を引き起こしたO157は元来人には無害だったものが、免疫力が低下したことによって耐性が下がったために有害になったとも言われています。

手洗いは流水で15~30秒行えばウイルスの99%は落ちるそうです。

手洗いは目立つ汚れがない時は十分ですし、むやみやたらに除菌せずに本当に必要な時だけ除菌するようにした方が良さそうですね。

コロナウイルスが蔓延している今現在では、除菌・消毒をしっかりしとかないといけない風潮なので、『除菌・消毒は悪い菌も倒すが、守ってくれる良い菌も倒している』と知識程度に知っておいて下さい。

自然治癒力が全て解決してくれるわけではない

自然治癒力が素晴らしい物である事は書いてある通りですが、何でも自然治癒力に任せていれば上手くいくというわけではありません。

自然治癒力を最大限に発揮させるためには医学の力も必要です。

医学は病気の診断と科学的な治療法を提案してくれます。

特にこの「診断」は医者にしかできません。

重篤な病気がある場合もあるので、体調不良が長く続くようでしたら病院へ受診しましょう。

自然治癒力も大事ですが、自然治癒力で全てが解決するなら昔の人達も長生きなはずですが、世界的に長寿になったのはここ100年の間の話です。

間違いなく長寿になった要因は医学の発展である事は間違いないので、専門家である医師に相談して下さい。

難病指定されている病気なんかは、自然治癒力が効かないから「難病」なんです。

なんでも自然治癒力でどうにかなるとは思わないでください。

ただ、自然治癒力を高めておくように意識しておく事は重要だと思います。

最後にまとめていきましょう。

まとめ

自然治癒力とは元々人間に備わっている免疫力や回復力、抵抗力の総称の様なものです。

この自然治癒力を高めるためには、自律神経のバランスを整えて、食生活を整える事。

そうする事で血液の質が良くなり、血流が良くなる事が自然治癒力を高める上では重要です。

過度な服薬や消毒・除菌は注意が必要です。

闘った経験値が少ない免疫細胞では抵抗力は弱いままです。

自分で細菌やウイルスに闘って勝った経験が、自己免疫力を高めるためには必要ですので、時には細菌やウイルスを適度な量取り入れる事も必要です(予防接種の考え方はコレです)

自然治癒力で対応できるかの判断は素人には難しいので、病院で医師に相談の上で薬を飲むかは決めるように注意してくださいね。

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