肩が痛い原因に多い3つの疾患
<スポンサーリンク>

「何も心当たりがないのに肩が痛くなった。」という人は結構多いです。

しばらく様子を見て、いよいよ肩が痛くて生活に支障が出てしまってから病院に行く人が大半でしょう。

「そのうち良くなるかなと思っていたけど、かえってどんどん悪くなってきたから(病院に)行った」と言う人はめちゃくちゃ多いんです。

肩の痛みの原因は人それぞれであり、軽度の炎症で数日したら痛みが引く人もいれば、どんどん痛みが強くなって肩の動きまで悪くなる人もいます。

自分の症状は病院に行った方が良いのか悩みますよね?

この記事では、肩の痛みの原因についてお伝えします。

肩の痛みの原因

肩の痛みの原因はどんな事が考えられるのでしょうか?

主な原因を3つ挙げます。

肩関節周囲炎

いわゆる四十肩(五十肩)と言われているもので、40代~50代に発生しやすいのが特徴です。

文字の通り、肩関節の周辺組織のどこかの炎症という事になり、筋肉の腱や靭帯、関節包や滑液包などに炎症が起きています。

肩関節は動きが大きい関節なので、関節の構造は不安定で、多数の筋肉や靭帯で動きを作ったり、制限したりしています。

肩関節は関節の作りが複雑なので、不具合も生じやすい関節なんです。

痛みは特にきっかけもなく痛みが出始める場合がほとんどで、数日で痛みが良くなる人もいれば数週間~数カ月続く人もいます。

痛みが長く続く場合は徐々に肩の動きも硬くなってしまい、日常生活にも不便な場面が出る事もあります。

腱板断裂、腱板損傷

肩関節には腱板と言われる重要な筋肉があります。

この腱板はインナーマッスルと言われる肩関節の安定性に関わる筋肉で、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つから構成されています。

この腱板の筋肉の損傷は外傷によるものや(転んだ時に手をついた、物を持ちあげた時に肩でプチッと音が鳴ったなど)、明らかな原因がなく腱板筋肉の退行変性(加齢により徐々に脆くなっていくこと)で起こります。

ちなみに一番損傷しやすいのは棘上筋で、腱板筋の中で一番上にある筋肉で、肩を上に挙げるときに重要な働きをしてくれる筋肉です。

腕を挙げて降ろす時に痛みがある場合は、腱板断裂が疑われます。

石灰沈着性腱板炎

上の2つに比べたら頻度は少ないですが、急に肩の激痛が起こったらこれが考えられます。

肩関節の腱板内に沈着したリン酸カルシウムが石灰化する事で痛みが発症します。

痛みの出方は特徴的で、ある日突然に激痛が出て肩を動かすのが苦痛になります。

この石灰はレントゲンでも確認でき、整形外科では注射器で吸い取ってくれる処置をしてもらうと痛みが軽くなります。

肩の痛みの原因となる主なものはこの3つが挙げられます。

<スポンサーリンク>

病院には行くべき?

結論から言うと、「病院は早めに言った方が良い」です。

理由は当たり前の事になりますが、「痛みの原因を特定できる事」と「早めに治療を開始した方が治りが早いから」です。

肩関節は動きの自由度が高い分、安定性という面では他の部位よりも不安定です。

肩が痛くなるという事は、その部分に負担が大きくなっているという事。

特に原因が思い当たらない状態で痛みが出たのであれば、姿勢が悪い筋肉が硬い関節の動きが悪いなどが原因で、日常生活での動作自体が肩の負担になっている事が考えられます。

また、腱板が傷んでいるのかどうかも重要になります。

腱板は肩関節の安定性に重要な組織ですので、腱板自体の損傷があるのであれば肩関節の安定性も下がってしまうという事です。

これらの事はMRIを撮って医師の診断を受けないと分かりません。

また、肩関節の動きが悪くなってしまうと元に戻るまでにかなりの期間がかかります。

肩の動きが硬くなり、日常生活にも不自由を来してしまうと半年~1年またはそれ以上に治療期間がかかる場合もあります。

何事もそうですが、早めの対処が結果的に早く治ることに繋がります。

治療法は?

保存療法と手術療法がありますが、基本的には保存療法が選択されます。

保存療法とは薬や痛み止めの注射や運動などで治していく方法です。

肩関節周囲炎や腱板断裂など痛みの原因によって細かな内容は変わってきますが、整形外科での治療では医師が処方した薬や注射で痛みを抑えて、リハビリで硬くなった関節や筋肉を動きやすくしていく事が行われる事が多いと思います。

よく「痛みを我慢してでも動かした方が良いですか?」と聞かれる事があるのですが、それは避けた方が良いでしょう。

痛みが出るという事は、損傷している組織にストレスが生じている場合がほとんどです。

そうしてしまうと、損傷している組織の炎症が長引いたり、さらに損傷してしまう事に繋がりかねませんので止めておきましょう。

人間って痛みを感じたら身体を守るために筋肉を硬くして守ろうとする防衛本能があります。

痛みを我慢して無理矢理動かしても、その後に身体の反応はより一層筋肉を硬くして関節を動かないようにしようとします。

せっかく痛みを我慢して動かしても良い事はほとんどないのです。

特に痛みが強い時期は極力痛みが出ないように注意して、痛みが出ない範囲をしっかり動かしておくくらいの対応で十分です。

肩関節の回復過程は、痛みが強い急性期(炎症期)→痛みが落ち着いたけど動かない(拘縮期)→少しずつ元の動きを取り戻していく(回復期)の3段階に分かれます。

炎症期をいかに早く終わらせるかがポイントで、痛み止めの薬と注射でコントロールしながら、硬い筋肉をほぐして血流を良くするようにしておきましょう。

では、最後に今回の内容をおさらいしてみましょう。

まとめ

肩の痛みの原因は主に3つ、①肩関節周囲炎、②腱板損傷・断裂、③石灰沈着性腱板炎が挙げられます。

これらの原因によって治療内容も変わりますので、整形外科を受診して診断を受けましょう。

治療方法の考え方は、痛みが強い時期には無理に動かさないにして、炎症の鎮静化を第一に考えます。

痛みが落ち着いた後に、徐々に関節の動きを良くする運動などを始めていくという流れになります。

早めに治療を開始すれば、その分後遺症(肩の動きの制限や痛みの慢性化)も少なくて済むので、結果的に早く治療期間を終える事ができます。

おすすめの記事