捻挫とは?足首の捻挫後の正しい処置を解説します。
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「捻挫」と聞くとどんなイメージがありますか?

足首の捻挫を思い浮かべる人が多いと思いますが、意外に捻挫は軽症のように思われている人も少なくありません。

そのため、軽い捻挫であれば病院に行かずに様子をみる人も多いでしょう。

けど、捻挫を侮っていませんか?

捻挫と言うと軽症に聞こえるかもしれませんが、靭帯損傷、靱帯断裂なんですよ。

自分で処置して大丈夫ですか?

今回は捻挫したけど、病院に行くのをためらっている人のために正しい処置方法についてお伝えします。

捻挫とは

まず、捻挫とはどのようなものなのか知っておきましょう。

捻挫とは外力などによって不自然な方向に関節が過度に動いてしまった時に、その関節周囲にある靭帯や軟骨、軟部組織などの損傷が起こる怪我です。

足首の捻挫を思い浮かべる人が多いでしょうが、どこの関節にも起こります。

交通事故などの外傷によるむち打ちは頸椎捻挫とも言われますし、腰を痛めれば腰椎捻挫、突き指の状態も指の捻挫と言えるでしょう。

強い外力が加わる事で靭帯が引き伸ばされる事によって起こる損傷なので、場合によっては靭帯が骨にくっついている部分がはがれてしまう「剥離(はくり)骨折」の状態になってしまう事もあります。

捻挫した人達が一番気になるのは、「これって病院に行った方が良いの?」といった所でしょう。

捻挫後すぐに病院を受診する人もいれば、しばらく様子を見ていて、なかなか痛みと腫れが引かないので受診するというように、対応は人それぞれです。

整形外科を受診して行う診療は、基本的に安静指示。

痛み止めや湿布などの鎮痛薬の処方です。

そのため「病院に行ったけど、たいして何もしてもらえなかった。」と思う人も多いようです。

ですが、病院では捻挫などの靭帯損傷の程度や骨折の有無を見極めてくれています。

それだけでも十分に行く価値はあるでしょう。

捻挫といっても色々とあり、足首であれば内反捻挫と外反捻挫とがあります。

損傷する靭帯も前距腓(ぜんきょひ)靭帯や踵腓(しょうひ)靭帯、後距腓(こうきょひ)靭帯、脛腓(けいひ)靭帯、三角靭帯など足首の靭帯も多数存在しています。

靭帯損傷の重症度やどの靭帯の損傷なのか?骨折も含まれているのか?など素人には判断できません。

判断ができなければ、どの程度安静にしていた方が良いのかなどの目安も分かりませんし、適切な処置もできないでしょう。

軽く捻って、少し痛む程度では様子みても良いでしょうが、明らかに腫れていたり、歩くと痛いなどの症状がある場合は整形外科を受診した方が良いでしょう。

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捻挫の重症度

足首の捻挫の重症度の目安についてお伝えします。

捻挫の重症度は、Ⅰ度(軽症)、Ⅱ度(中等度)、Ⅲ度(重度)の三段階に分けられます。

Ⅰ度:靭帯の一部が損傷。軽度の炎症と痛みがある状態。
Ⅱ度:靭帯の一部が断裂。広範囲の痛みや腫れがある状態。
Ⅲ度:靭帯が完全に断裂しており、関節が不安定な状態。

受傷直後に歩けるかどうかでも、ある程度推測できます。

Ⅰ度:受傷直後でも軽く痛みがあるが歩ける
Ⅱ度:受傷直後痛みは強いが、かばいながら歩ける
Ⅲ度:歩けないほどの痛み

Ⅱ度以上の捻挫が疑われる場合は病院に行った方が良いでしょう。

Ⅰ度の捻挫では1週間ほど無理をしないように安静に過ごす事で痛みは引く場合が多いです。

次は、捻挫後の正しい処置についてみていきましょう。

捻挫後の正しい処置は?

捻挫はいつ起こるか分かりません。

夜に階段を踏み外したり、日曜日スポーツの試合中に受傷する事もあります。

夜中や休みの日では病院は休み、救急に受診するほどかも判断しかねる時もあります。

ここでは、受傷後の正しい応急処置について説明していきます。

【応急処置】

捻挫直後の応急処置ではRICE(ライス)療法を行いましょう。

Rest(安静):患部に無理をかけないように、あまり動かさないようにしましょう。
Ice(冷却):患部を冷やして炎症を抑えます。ビニール袋に氷水をいれ15分を目安に行いましょう。保冷材などで代用する事も可能ですが、氷水で行う方をおススメします。
Compression(圧迫):包帯やテーピングで軽く圧迫します。あまりきつく締めすぎると循環障害が起こりますので注意しましょう。
Elevation(挙上):患部の循環や腫れ防止のために、患部を高く挙げておきましょう。

医療現場では、応急処置と言えばこのRICE療法が基本。

受傷直後にすべて行うのは難しいにしても、この4つの項目を覚えておいて出来るだけ行うようにしておきましょう。

【患部の安静】

捻挫の治療の基本は、「患部の安静」です。

捻挫した足に無理をさせない事です。

損傷の程度によって固定方法や固定期間が変わりますが、軽症例では約1週間、重症例では3~4週間くらい固定して足首の保護をします。

固定方法は、軽症例ではサポーターやテーピング、中等度から重度ではシーネやギプスでしっかりとした固定が必要になる事が多いです。

この固定方法の違いでも、Ⅱ度損傷以上は病院を受診した方が良い理由になります。

シーネやギプス固定は自分では出来ませんからね。

この初期の固定がきちんと出来ているかどうかでその後の治り方が変わってきます。

靭帯が損傷部位を修復する時に、グラグラと不安定な状態では治るものも治せません。

損傷部位を治すためには、受傷直後の急性期には安静と固定で靭帯に負荷をかけないように過ごしましょう。

ここが出来ていないと、靭帯の治りが悪くなり、足関節不安定症などの後遺症が起こり、後々には変形性足関節症など痛みが出てしまう原因になります。

Ⅰ度捻挫の軽症例で病院に行くほどでもないと思われる方は、自分でテーピングを巻いても良いでしょう。

やり方は「捻挫 テーピング」で検索すると色んなサイトで解説してくれていますので、そちらを参考にして巻きましょう。

サポーターも市販のものがありますが、値段も幅広く種類もたくさんあり、どれを選んで良いか悩みます。

病院を受診すれば用途に見合ったサポーターを処方してもらえると思いますので、悩む時は病院を受診するのも良いでしょう。

病院には行きたくないという人は、ずっと着ける物でもないのでテーピングで固定して過ごしましょう。

まとめ

捻挫は関節が過度に動いてしまった時に起こる靭帯損傷です。

損傷の程度はⅠ~Ⅲ度まであり、靭帯の損傷程度によって重症度が分類されています。

Ⅱ度以上の捻挫では、靭帯の他にも損傷している組織があったり、骨折も含まれているケースもありますので、病院で診てもらった方が良いでしょう。

捻挫の受傷直後は、応急処置としてRICE療法。

Rest(安静)Ice(冷却)Compression(圧迫)Elevation(挙上)の4つを行います。

捻挫した後は初期固定が重要です。

この固定がきちんと出来ているかで、その後の治り具合も変わってきます。

軽症例ではテーピングやサポーターで1週間程度、Ⅱ度以上の捻挫ではシーネやギプスなど強固な固定が必要な場合がありますので、病院で診てもらう必要があります。

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