あんまり食べないのに太ってしまう人もいれば、よく食べるのに全然太らない人もいますよね?
太りやすい原因には腸内環境も影響している事知っていますか?
最近の腸の研究により、腸内環境が太りやすさに関係することが分かってきたようです。
いくら痩せたいと思っても、この腸内環境が整っていないとなかなか痩せないという事です。
あまり食べないのに太ってしまうとお悩みの人は、腸内環境に問題があるのかもしれませんね。
無駄な努力をしないで済むように、是非知っておきたい知識ですね。
腸内環境で太りやすい体質が決まる
まずは、アメリカで行われたマウスの研究の内容をみてみましょう。
太った人から取った腸内細菌を移植したマウスと痩せた人から取った腸内細菌を移植したマウスに同じエサを与えるという実験をしました。
その結果、太った人から細菌を移植されたマウスは太り、痩せた人から細菌を移植されたマウスは痩せたまま。
体重の変化も大きな結果ですが、この二匹のマウスの腸内細菌を調べたところ、太ったマウスの腸内細菌には多様性がかなり少なくなっていたそうです。
腸内細菌の「多様性」が痩せ体質のポイントになりそうですね。
この次の実験として、痩せたマウスから太ったマウスに腸内細菌を移植してあげると、太ったマウスが痩せていき元の体重に戻ったそうです。
また、マウスに繊維質、野菜、果物類が少なく、脂肪分が多い「西洋型の食事」を与えたところ、痩せたマウスから腸内細菌を移植しても、太ったマウスは太ったままだったという結果もあります。
これらの結果から体重には「腸内細菌」と「食生活」の影響がかなり大きいと言えそうですね。
腸内細菌の種類は多数ありますが、これらの細菌のうちで体重に大きく関係していたものがあるんです。
通称「デブ菌」と「ヤセ菌」について、次の項にまとめます。
デブ菌とヤセ菌の存在を知ろう
腸内細菌のうち、結腸で90%以上を占める大きな2つのグループがあります。
「フィルミクテス門」と「バクテロイデス門」というグループです。
この2つのグループの比率が体重に大きく影響します。
太りやすい菌は「フィルミクテス門」で通称デブ菌と呼ばれ、逆に痩せやすい体質になる菌は「バクテロイデス門」で通称ヤセ菌と呼ばれます。
覚えにくい名前なので、ここからはデブ菌とヤセ菌で呼びます。
このデブ菌は脂肪を好み、糖質を消化するための酵素を多く持っているため、カロリーの抽出や脂肪吸収の増加に関わっています。
この一方でヤセ菌は扱いにくい植物のデンプンと線維を、より小さな脂肪酸分子に分解し、身体のエネルギ―として使えるようにする仕事をします。
デブ菌が多いと体内に必要以上にカロリーと脂肪を吸収してしまい、ヤセ菌が多いと植物性の線維などもエネルギーとして扱えるようにするため、結果的にカロリーの吸収を抑えてくれるという事です。
この2つの菌の比率がヤセ菌の方が多ければ、痩せ体質になるということです。
ヤセ菌の増やし方知りたくないですか?
それについては、食べ物が重要になります。
この次の項目でヤセ菌の増やし方を書いていきます。
腸内環境を整えるには?
腸内環境のベストなバランスは【善玉:悪玉:日和見=2:1:7】と言われています。
日和見菌とは善玉菌と悪玉菌の勢力が強い方に味方するどっちつかずの菌で、善玉菌が優勢なら穏やかに過ごし、悪玉菌が優勢の時は悪玉菌と一緒に悪さしちゃいます。
先ほどのヤセ菌は日和見菌に該当します。
ヤセ菌が働くのは善玉菌が優勢の時で、悪玉菌が増えると身体に良いことはしてくれないので、善玉菌が優勢な腸内環境に整えておくことが大事です。
このヤセ菌を増やすためには何をすれば良いのでしょうか?
腸内細菌は何の影響を受けるかというと「食べ物」です。
自分の食べた物の「質」で腸内細菌が作られるのです。
ヤセ菌は乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が入っている「プロバイオティクス」を取ることと、善玉菌や日和見菌のエサとなる「プレバイオティクス」を取ることで増やすことができます。
「プロバイオティクス」に「プレバイオティクス」
あまり聞きなれない言葉ですね。
プロバイオティクスは乳酸菌などの善玉菌が入っている食品です。
ヨーグルトや味噌、納豆、漬物などの「発酵食品」がこれらの食品にあたります。
プレバイオティクスは簡単にいうと野菜類です。
食物繊維やオリゴ糖が豊富な食べ物のことを指しています。
玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリーやキノコ類、豆類、果物、海藻類などがこれに当たります。
先ほど、ヤセ菌は「扱いにくい植物のデンプンと線維を、より小さな脂肪酸分子に分解し、身体のエネルギ―として使えるようにする仕事をする」と説明しました。
野菜やキノコ類の食物繊維が善玉菌たちのエサなのです。
ヤセ菌を増やすためには発酵食品を食べて善玉菌を取りこみ、エサとなる食物繊維やオリゴ糖を食べて善玉菌とヤセ菌を育てることになります。
普段の食事にこれらの事を意識する事で腸内環境が整い、痩せ体質になっていきます。
悪玉菌が優勢になる場合はどんな時か考えてみましょう。
先ほどの考え方では善玉菌と日和見菌のエサとなるものを取りこむとヤセ菌が優勢になりましたね。
では、悪玉菌の好むエサはなんでしょう?
「デブ菌は脂肪を好み、糖質を消化するための酵素を多くもっているため、カロリーの抽出や脂肪吸収の増加に関わっています。」と説明しました。
答えは「糖質」です。
糖質の取り過ぎは悪玉菌が優勢になる条件の一つです。
特に砂糖や人工甘味料などの糖分には要注意。
砂糖や甘味料の取り過ぎは血糖値を上げ、インスリンの過剰な分泌を促して太りやすい体質になるだけでなく、腸内環境も太りやすいデブ菌を増殖させてしまう事にもなるようです。
ジュース類やお菓子類には大量の砂糖や人工甘味料が使われているので、これらを取り過ぎると太ってしまうのは納得ですね。
それでは、最後に今回の内容のまとめをしていきましょう。
まとめ
腸内環境によって太る体質か痩せ体質かが決まり、デブ菌(フィルミクテス門)よりヤセ菌(バクテロイデス門)の方が多ければ痩せ体質になります。
痩せたい人は腸内細菌で体質が変わることを知っておく必要がありそうですね。
ヤセ菌を増やすにはプロバイオティクスとプレバイオティクスを食生活に取り入れ善玉菌を増やしましょう。
反対にデブ菌が増える原因は糖質の取り過ぎです。
特に人工甘味料には注意したいところです。
腸内環境を整えて、健康的な体重管理を行いましょう。
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