朝食はちゃんと食べた方が良いという意見もあれば、食べなくても良いという意見もあります。
この意見の食い違いは「どの視点から朝食を見るか」によって変わりますので、人それぞれです。
食事方法について様々な意見があるので、どの方法が一番良いのか混乱する人も多いでしょう。
特に朝食についてはかなり意見が分かれる所。
でも自律神経の乱れから体調が優れない人の場合は、朝食をしっかり食べる方が良いです。
今回は朝食の自律神経を整える効果についてまとめます。
朝食の3つの効果
まずは朝食の目的について考えてみましょう。
朝に食事を取る目的は『一日のエネルギーの補充』が一番の目的です。
人間が動く原動力は糖分です。糖分を補充して一日の活動エネルギーを補給できれば良いのです。
しかし、自律神経の観点から朝食を考えると全く違う目的がみえてきます。
朝食を取ることで、以下の効果が考えられます。
①副交感神経の働きを高めてくれる
②血流が良くなる
③時間に余裕が生まれる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①副交感神経の働きを高めてくれる
朝は徐々に交感神経が高まっていく時間ですが、朝から食事をする事は胃腸を刺激し、副交感神経を高めることができます。
朝から副交感神経の働きを高めるメリットには【排泄】を促す役目があります。
朝の時間帯は身体の生活リズムの中の【排泄】の時間。
この排泄を促すためにも副交感神経を刺激するように朝食を取った方が良いと考えられます。
また、自律神経は免疫にも深く関わりがあり、交感神経と副交感神経のバランスが取れた状態が免疫系の働きも良くなり、自律神経のバランスが乱れていると免疫の働きも弱まります。
朝は交感神経の働きが高まり、副交感神経の働きは下がってくる時間帯。
朝食を取ることで副交感神経を高める事が出来れば、免疫のバランスも良くなり外出先でウイルスや細菌が入ってきても抵抗力のある身体が出来上がっています。
注意点が一つ。
「食べ過ぎ」で過剰に副交感神経を働かせないように気をつけて下さい。
食べ過ぎると内臓に血流が集中するため、朝から身体の動きが重たくなってしまいます。
②血流が良くなる
朝から食事をする事で、消化のために一時的に内臓に血流が集まります。
消化・吸収の過程で胃腸に血流が集まり、その後肝臓が働いて、肝臓から心臓そして全身に血流を送ります。
自律神経では交感神経が働くと血管が収縮し、副交感神経が働くと血管は拡張されます。
朝は交感神経の働きが強まる時間帯ですが、食事をする事で副交感神経が刺激された結果、血管も拡張しやすくなり、全身に血流が行きわたりやすくなる事が考えられます。
食事をすると身体が温まってくるのは、そういった原理から起こっているのです。
ここでも一つ注意点。
これも「食べ過ぎ」に注意です。
食べ過ぎると胃腸での消化活動に長い時間がかかります。
するといつまでも内臓に血液が集まったままになり、末梢の血流は滞ってしまいます。
③時間に余裕が生まれる
これは先の2つをより効果的にするための事になります。
時間に余裕を作りましょうという事。
せっかく朝食で副交感神経を高めるようにしても、朝からバタバタしてかきこむように朝食を食べても意味がありません。
副交感神経はリラックスした状態で高まる神経です。
バタバタしながら食べる事は副交感神経も高まりませんし、その後の消化活動での内臓の働きも悪くしてしまいます。
朝は何かとバタバタしてしまいやすい時間帯。
朝食を取る時間を作れるように「時間の余裕」を持ちたい所です。
時間の余裕を持つためには早寝・早起きの習慣化が必要で、その習慣自体にも自律神経が乱れない効果があります。
朝の水習慣
朝の時間をより良いものにするために、一つ大事な事を習慣化して欲しいと思います。
それは「朝起きぬけに水分補給」をする事です。
寝ている時って知らないうちに、汗や呼吸で体内から水分が出ていってしまっているんです。
朝起きてすぐは一番身体の中の水分量が少なくなっています。
ドロドロ血液の様なイメージです。
朝起きてすぐ軽くうがいをして、コップ一杯分の水分を補給する。
これをするだけでも水が胃腸を刺激して、身体の中から動くスイッチをONにしてくれます。
朝起きてすぐに水を飲む事のメリットがもう一つ。
「体内時計」をリセットしてくれます。
私たちの身体の中には体内時計があるのですが、これは一日25時間設定なんです。
この体内時計の時差を直してくれるのは「太陽の光」なのですが、朝起きてすぐに胃腸を刺激することでも体内時計の時差をリセットしてくれる効果があります。
朝起きて水を飲み身体を活動モードに入れ、朝食を取ることで自律神経のバランスを整える。
この習慣を意識するだけでも朝から自律神経が整えられ活動的な一日を送ることができます。
おすすめの朝食
では、朝は何を食べたらいいのと思った人にいくつか朝食におすすめの食べ物を紹介します。
朝食の役目は「エネルギー源(糖分)の補給」と「水分の補給」でしたね。
糖分があり、水分が豊富な食べ物かつ消化するのに負担にならないもの。
『果物類』と『生野菜』です!
朝は身体の生活サイクルでは排泄の時間でしたね。
水分をしっかり取ることは排泄の手助けになります。
また、果物は食物繊維も豊富なため糖分の過剰吸収も抑えてくれます。
生野菜も果物のように糖質は少ないですが、水分と食物繊維が豊富な食べ物になりますね。
炭水化物では、やはり『お米」がベストです。
お米は精白米より玄米の方が栄養価が高く食物繊維やミネラルも取れるためいいのですが、人によっては、玄米は硬いため消化不良を起こしてしまいます。
なので、僕は5分搗き(つき)のお米を食べています。
栄養と消化の両面から考えてバランスが良く、玄米ほど硬くないため食べやすいです。
あとは、腸内環境を整える観点から発酵食品もバランス良く取り入れたい所。
副交感神経を高めるために朝食を取るのは良いのですが、そもそもの腸内環境が悪いと効果は激減してしまいます。
腸で栄養素を吸収して、良質な血液を全身に巡らせたいのですが、腸内環境が整っていないと質の悪い血液を送ってしまう事になります。
発酵食品はヨーグルトやチーズ、キムチ、納豆、味噌、漬物類などがありますので、お好みに合わせてください。
最後に一言。
「おいしくストレスなくできる食事」を意識してください。
結局の所、自律神経はストレスで乱れてしまいます。
いくら身体に良いと言われている事をしたとしても、ストレスを感じながらするとあまり効果がないと思います。
我慢して嫌いな納豆を食べる。
納豆は腸に良いかもしれませんが、ストレスは腸に悪い影響を与えます。
良い事1に対して悪い事1なら結果は0。
それならしない方が良いですよ。好きなものをストレスなく食べるのも大事ですよ。
まとめ
朝食を取ることで自律神経にもたらす効果について書いてきましたが、最後にまとめます。
朝食を取るメリットは①副交感神経の働きを高める、②血流を良くする、③時間の余裕が生まれるがありましたね。
身体のリズムとして朝は交感神経が高まりますので、うまく副交感神経の働きも高める事で自律神経のバランスが取れますよ。
また、朝は水分補給が大事なので、起き抜けのコップ1杯の水は習慣化して欲しい所です。
朝食には果物、生野菜、発酵食品なんかがおすすめですが、一番はストレスなく食べられる食べ物なので、楽しく・おいしく食べてください。
ただし、食べ過ぎには注意ですよ。