誰しも「ずっと健康でいたい」という気持ちはあると思いますが、老化現象も健康面を左右する一つの要因です。
老化現象は誰にでも起こり、避けることはできないものではあります。
しかし、いつまでも若々しい人もいれば、実年齢よりも老けてみられる人もいたりと、老化現象のスピードには個人差があります。
老化現象のスピードを緩やかにすることで、その人が健康でいられる期間も長くなる可能性が高まります。
日本の平均寿命は男性で81歳、女性で87歳と年々長くなってきていますが、昨今では健康寿命の重要性、いかに健康でいられる年齢を長くするかが重要です。
今回は老化現象の原因となる「酸化」と「糖化」とその対策についてお伝えしていきます。
老化とは
老化とは成熟期以降に起こる身体の変化と言われています。
要するに成長期が終わった以降に徐々に身体の様々な機能が徐々に低下していく事が老化現象と言われているようです。
そして、老化の原因は簡単にいうと細胞の劣化です。
人間の細胞は細胞分裂を繰り返す回数が決まっており、その細胞分裂の回数を使いきった細胞が老化細胞となります。
若いころであれば、細胞の入れ替わるスピードも早いので老化細胞になってしまった細胞を新しい細胞に取り変える事で対応しますが、年を重ねていく毎に徐々に細胞の入れ替わるスピードも遅くなってしまいます。
そうすると老化した細胞は取り換えられる事なく、老化細胞を使い続けるようになります。
老化細胞は増殖能力がなくなっているため、細胞が損傷を受けてしまった場合でも治す力が弱いのです。
年を取ったら治りが遅くなるのは、この老化細胞の数が多くなったからなんです。
老化といっても、人によって老化のスピードは違いますよね?
いつまでも若々しくみられる人がいる一方で、年齢の割に老けている人もいます。
その差は何でしょう?
その差は老化現象を促進させる原因は「酸化」と「糖化」にあるようです。
老化の原因は「酸化」と「糖化」
老化現象を促進させる原因には「酸化」と「糖化」が挙げられます。
「酸化」とは
酸化は体のサビと言われています。
酸化とは身体の中で活性酸素が増えすぎた状態を言います。
細胞は酸素を使ってエネルギーを生み出すのですが、その時に同時に活性酸素が発生します。
活性酸素は通常、細菌やウイルスを攻撃する役目があるのですが、活性酸素が増えすぎて「酸化」の状態になると正常な細胞まで攻撃してしまいます。
酸化させる原因には紫外線やたばこ、アルコールなどが挙げられます。
「糖化」とは
糖化は体のコゲと言われています。
体内に過剰に余った糖質とタンパク質が結び付いてAGE(終末糖化産物)という老化の原因となる物質が生み出されます。
このAGEはタンパク質を攻撃して正常に働けないようにしてしまいます。
また、血管や皮膚にダメージを負わせて老化を早めてしまう作用があることも分かっています。
糖化の原因はもちろんの事「食べ過ぎ」ですね。
「酸化」と「糖化」の二つが揃ってしまうと身体の老化現象が促進されてしまいます。
そして、老化現象は40代から加速すると言われています。
その理由は40歳を過ぎると活性酸素に対抗していた「抗酸化酵素」の働きが弱まるからです。
40歳超えてからは、酸化と糖化に特に注意したい所。
老化現象は誰しもに起こることなのですが、「酸化」と「糖化」に気をつけた生活を送る事で老化のスピードを遅くする事はできます。
次は、老化現象を遅くするための対策についてお伝えします。
効果的な老化対策とは?
ここまでの話でお分かりの通り、老化対策として有効なのは「酸化」と「糖化」の予防と抗酸化酵素の補充です。
酸化対策
酸化の原因に紫外線、アルコール、タバコを挙げました。
日光に当たる事でビタミンDを作る事ができるので紫外線にはメリットもありますが、当たり過ぎには要注意。
日光浴は15~30分程度を目安にしましょう。
アルコールは、分解するために肝臓に大きな負担がかかり、分解する時に活性酸素が出来てしまいます。
適量であれば血流も良くなるメリットもありますが、飲み過ぎには注意したい所です。
タバコは「百害あって一利なし」です。
僕も元喫煙者で擁護したい気持ちはやまやまですが、タバコをやめて本当に良かったと思います。
煙に含まれる有害物質により、活性酸素が大量に発生してしまうため、細胞の劣化に繋がります。
タバコの値段も昔と比べてだいぶ上がったので、経済的にもやめた方が良いですよ。
そしてもう一つ重要な原因があります。
それは「ストレス」。
ストレスがかかると活性酸素が増えてしまうため、ストレスを溜め込まないように注意しましょう。
ストレスが全くないなんて事は誰もできないので、上手に発散させるストレスコントロールを意識しましょう。
ストレス対策には軽めの有酸素運動や睡眠、入浴によるリラックスなどが効果的です。
ストレス解消について詳しくはコチラの記事を参考にして下さい。
☞ストレス解消のメカニズムから考える間違ったストレス解消法とは
糖化対策
糖化の原因は主に食べ過ぎです。
余った糖質が体内のタンパク質と結びつくことで糖化が起きてしまいますので、体内に糖質が過剰に余らないような食生活がオススメです。
食事のポイントとしては①腹8分、②ゆっくりよく噛んで、③食物繊維を多めに取る事が大事です。
また、現代社会では糖質過多になりやすい特徴があります。
デスクワーク中心の仕事に車社会、人工甘味料や間食の習慣化など。
運動不足になりやすい環境と、糖質が溢れた環境なんです。
普通の生活を送っているだけでも糖質過多に陥りやすいのです。
つまり現代人は食べ過ぎなんです。
体内余った糖質は脂肪に変換されるため、脂肪がついてしまっている人には「プチ断食」がオススメです。
「プチ断食」を簡単に説明すると、食事をしない時間をできるだけ長く空ける事。
夕食を早めに済ませて、翌日の朝食までの時間を長く空けたり、朝食自体を取らない事で空腹でいる時間を長くする事でも良いです。
要するに体内に糖質が補給されなければ、脂肪(余った糖質)を燃焼して身体はエネルギ―を作り出すので、結果として体内の糖を減らす事ができるという事です。
プチ断食についてはコチラの記事を参照ください。
☞ファスティングとは?一日断食のやり方と注意点
抗酸化酵素
40代から抗酸化酵素の働きが弱まり、細胞の老化スピードが速まります。
これに対抗するためには抗酸化ビタミンと言われる、ビタミンA、C、Eを取ることです。
以下に多く含まれる食材の代表例を挙げていきます。
ビタミンA:鶏・豚レバー、うなぎ、ホタルイカ、チーズ、卵
βカロテン:人参、ほうれん草、カボチャ、春菊
ビタミンC:レモン、みかん、ブロッコリー
ビタミンE:アーモンド、べにばな油、鮎(あゆ)
ビタミンAに含まれるレチノールは取り過ぎると過剰症を引き起こします。
特にレバーに多く含まれるので、レバーの食べ過ぎには注意しましょう。
βカロテンは体内で必要な分だけレチノールに変換される性質を持つため過剰症の心配はありません。
βカロテンを積極的に取りましょう。
他にも抗酸化物質にはポリフェノールやカテロノイドがあります。
ポリフェノール:ブルーベリー、カカオ、大豆、そば
カテロノイド:緑黄色野菜や果物類(リコピン)、魚介類や甲殻類(アスタキサンチン)
これらの食材を意識的に取る事で、体内で起こる酸化を防ぐ事ができます。
それでは、最後に今回の内容をまとめていきましょう。
まとめ
老化現象とは誰しもに起こる現象で、細胞分裂の回数を使いきってしまった細胞の劣化(老化細胞)の数が多くなる事で起こります。
老化のスピードには個人差があり、速めてしまう原因には「酸化」と「糖化」がありました。
「酸化」の原因は活性酸素の増えすぎ、「糖化」の原因は食べ過ぎにあります。
対応策としては紫外線やアルコール、タバコ、ストレスに気をつけて、抗酸化酵素を持つ食材を意識的に取る事と、食べ過ぎ(特に糖質)に注意と体内の糖分を使いきる(運動など)事。
40代以降に老化現象は加速しやすいので、特にアラフォー世代からは気をつけたい所ですね。