慢性的な便秘に悩んでいませんか?
便秘で病院に行っても整腸剤や下剤などの薬が処方されるだけで、根本的に解決できていない人も多いでしょう。
あまり薬には頼りたくないという人もいます。
一時的な便秘なら薬で排泄を促してもさほど問題ではありませんが、慢性的な便秘でお悩みの人は、根本的に腸の排泄機能の問題をクリアしないと解決しません。
便秘は腸の働きの問題なので、食事や運動など生活習慣を変える事で解消できます。
この記事を読む事で、あなたの便秘を根本から解決する生活習慣が分かります。
食事は食物繊維を意識する
便秘解消法としてまず知っておきたい事は食物繊維についての事。
便秘解消と聞いたら最初に思いつくワードかもしれません。
食物繊維は腸内の老廃物などを絡めながら便の主材料になってくれます。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、水溶性食物繊維は水に溶けて便を柔らかくしてくれて、不溶性食物繊維は水を吸って膨らみます。
こういった特性があるため不溶性食物繊維を取り過ぎると、便の水分を吸ってしまい硬くなってしまうためにお腹が張ってしまう事があります。
便秘中では、なおさら貯まっていた分の便が硬くなってしまうので、さらに出にくくなってしまう事もあります。
そのため食物繊維は水溶性、不溶性のバランスが大事になってきます。
バランスといっても、そんなに難しく考えなくても大丈夫です。
ほとんどの食物繊維を多く含む食べ物には水溶性、不溶性ともに含まれています。
「野菜類」「果物類」「海藻類」「きのこ類」と大雑把に覚えておきましょう。
少し詳しく例を挙げてみると、
水溶性:海藻、きのこ類、いも類、りんごやみかん、麦、キャベツなど 不溶性:ごぼう、たけのこ、大豆や枝豆、バナナ、こんにゃくなど
あくまでどちらの方がより含んでいるかと思ってもらって結構です。
食物繊維の重要な働きはもう一つあります。
それは善玉菌のエサになる事。
腸内環境は善玉菌と悪玉菌の比率で決まります。
食物繊維が善玉菌のエサになってくれるおかげで、腸内環境が善玉菌が優勢の良い状態になります。
腸内環境が整っているときれいに便を作ってくれるのですが、悪玉菌が増えすぎてしまっている腸内では腸での吸収が上手くいかずに下痢になったり、便秘になったりと便がうまく作れなくなってしまいます。
食物繊維は腸内の老廃物を回収する掃除役と善玉菌のエサになり腸内環境を整える2つの大きな役割があります。
この2つの理由から便秘には積極的に食物繊維は取りましょうと言われるわけです。
便秘解消の潤滑油
便を排泄するための潤滑油となってくれるのが文字の如く「油」です。
上質な油は便を排泄するのを手伝ってくれる作用があります。
上質な油とはオリーブオイルやアマニ油の事で、これらの油は酸化しにくいのが特徴です。
酸化しにくい抗酸化作用を持っているので、腸内でも悪玉菌の増殖を防いでくれたり、酸化による細胞の老化現象を防いでくれる役割があります。
「酸化」は「老化」する事だと思ってください。
細胞の酸化を防いでくれるという事は、腸内の細胞を若々しく保ってくれるという事に繋がり、腸内の働きを活性化させてくれます。
オリーブオイルを選ぶ時は、加熱処理されていないエクストラバージンオイルが良いとされています。
ただ、良質な油は高価で手が出にくいのが欠点ですね。
無闇に油を取れば良いというわけではないので、そこは注意が必要です。
長く空気に触れた酸化した油やトランス脂肪酸などは、逆に悪玉菌を増やすことに繋がり、結果的に腸内環境が悪くなってしまいますよ。
排泄機能を高める「空腹時間」を作る
ここまでは便秘解消のために、何かを身体の中に入れる事について書いてきましたが、ここからは、逆の発想で便秘を解消しましょう。
つい何かの症状を良くしようと思ったら、「何を入れるか」を考えてしまうのですが、「何を抜くか」も大事な考え方です。
東洋医学的な発想です。
先に書いたように食物繊維もオリーブオイルも便通を良くするのに大事ではあるのですが、身体が排泄に専念できるようにしてあげる事も便秘対策になります。
排泄に専念できるようにとはどういう事かというと、「空腹時間を作る」という事です。
排便は腸のぜんどう運動によって行われるのですが、そもそも腸は「消化・吸収」の作業と「排泄」の作業を同時進行できないのです。
食べ物をどんどん入れてしまうと、排泄に専念する時間が取れません。
ここの時間を作ってあげるように食生活を考えてあげましょう。
前日の夕食から朝まで間食などしていなければ、胃腸に何もない時間帯が作れます。
ここの時間帯が人間の生活リズムでは本来、「排泄」の時間帯にあたります。
排便のリズムが整っている人は、朝に出てくる人が大半です。
便秘解消のための良い生活リズムは、寝る3時間前に食事を済ませて腸に消化活動をさせ、翌朝まで間食せずに腸に排泄の準備をさせる事です。
もっと長く空腹時間を取るためには「朝だけ断食」という方法もあります。
単純に朝食を食べないという事なんですが、朝食の代わりに紅茶にショウガとはちみつを加えたものを飲むのもありです。
胃腸にとって、食べ物の消化活動はかなりの重労働です。
時には胃腸を休ませる時間を作ってあげる事で、排泄力アップと消化・吸収の効率アップが期待できるので、空腹時間を作ることは一石二鳥ですよ。
また、排泄は副交感神経の働きによるものなので、副交感神経を高めるように身体に働きかける事も効果的です。
具体的には、朝起きた後に水を飲むという事。
水を飲むという行為だけで副交感神経が刺激されます。
朝起きた後は水を飲み副交感神経を刺激してあげるだけでも、身体に排泄を促すように働きかける事が出来ます。
ただし、冷たい水を一気に飲む行為は逆効果になります。
一時的には排便出来る事もありますが、冷水という刺激がないと排便できない身体になってしまいます。
しかも、その刺激も使い続けると身体も慣れてしまうので、便通が起こりにくくなりますし、単に身体を冷やす行為となります。
身体を冷やすと血流も悪くなるため腸の動きも悪くなってしまうため、便秘がひどくなってしまう事もあります。
水を飲む場合は、常温もしくは温かい飲み物で身体を温めてあげる方が便秘解消法としては良いでしょう。
運動効果で腸の動きを活性化
運動する事も便秘解消には効果があります。
運動により全身の血流が良くなり、腸の運動も活性化するためです。
運動は何でも良いです。
ウォーキングでもジョギングでもラジオ体操でも。
身体を動かす事に意味があります。
より効果的にしたいのであれば、体幹を捻る運動を取り入れると良いでしょう。
腸などの内臓は肋骨と腹筋によって守られています。
この肋骨と腹筋が硬くなり動かなくなれば、中にある内臓の動きも制限されてしまいます。
体幹を捻る運動により肋骨や腹筋がよく動かされる事で、内臓の動きも保たれます。
姿勢を正すと腸の動きが良くなる
姿勢を気をつける事も便秘解消には有効です。
姿勢が悪い人の多くは猫背です。
猫背の何が悪いのかというと、お腹が圧迫されて腸が動きづらいのと腹膜が伸びにくくなる事です。
背中が丸まると、当然お腹側は縮みますし、肋骨によって内臓が圧迫されやすくなります。
常に腹筋部分が縮んでいるので、腹筋の柔軟性や腹膜の動きも悪くなり、腸の動きも悪くなります。
姿勢を正して生活するのも便秘予防になります。
最後に便秘解消法のまとめをしましょう。
まとめ
便秘解消には、以下を取り組みましょう。
・食物繊維を意識して取る。 (食物繊維は掃除の役割と善玉菌のエサになり、腸内環境が整います。)
・上質な油(アマニ油やオリーブオイル)をスプーン1杯程度取る。
・身体を排泄に専念させる「空腹時間」を意識的に作る。
・朝起きて常温もしくは温かい飲み物を飲んで、副交感神経を刺激する。
・定期的に運動習慣を身につける。
・姿勢に気をつけて腸の動きを悪くしないようにする。
便秘がひどい人は一日だけ意識してもなかなか便通が起こらないでしょうが、習慣的に取り組むことで自然な形での排便ができるようになっていきます。