圧迫骨折は背骨の骨折です。

高齢者に多い骨折なのですが、家族や知り合いなどに圧迫骨折経験者はおられませんか?

日本は高齢化社会なので、年々圧迫骨折になっている人の割合は増加しているかもしれません。

意外と圧迫骨折を経験された方は多いんですよ。

今回は、高齢者に多い圧迫骨折とはどんな骨折なのか、また治療法はどんなものがあるのかについてまとめています。

圧迫骨折とは?

圧迫骨折とは背骨である、脊椎の椎体部分がつぶれたように変形する骨折です。

受傷するきっかけは、転倒や尻もちなど明らかな外傷による骨折と自分でも気づかないうちに発症する場合との2パターンあります。

自分でも気づかないうちに骨折してしまっているケースに関しては、骨がもろくなってしまう「骨粗しょう症」との関連性が高く、くしゃみや物を持ちあげたなど普段何気なく行っている動作を反復する事が少しずつストレスとなり、圧迫骨折を発症してしまうようです。

痛みの出方には特徴があり、寝返りや起き上がり、立ち上がりなどの体動時に激しい痛みがあり、一度立ってしまうと痛みはあまりありません。

立ち上がる時に痛いが、一度立ってしまって歩く分には痛みは大丈夫。」と言った方は要注意です。

圧迫骨折の診断はレントゲンやCT、MRIなどの画像検査で可能です。

先ほどのような訴えがあり、背中をトントン叩くと痛みがある(叩打痛)などの所見があるとお医者さんも圧迫骨折を疑って画像検査をするようです。

発症部位は胸椎と腰椎の移行部に多く、次に中位胸椎レベル(第7~8胸椎)、次いで腰椎の順に多いとされています。

胸椎と腰椎の移行部は脊柱のカーブが変わる所になるので、その部分にストレスがかかりやすいようです。

圧迫骨折は男性では70歳代以降から増え、女性では50歳代から発症するケースもあり、女性に多く発症する骨折になります。

やはり骨粗しょう症と関連性のある骨折であるため、骨粗しょう症になりやすい女性の方が圧迫骨折になるリスクも高いようですね。

次の項で骨粗しょう症について触れていきますので、特に女性の方は知っておきましょう。

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは骨量が低下して、骨密度が少なくなった状態です。

簡単に言うと骨がもろくなったために、ちょっとした事で骨折が起こりやすい状態です。

骨密度が70%以下になると、骨強度は半分になると言われています。

骨密度を測る機会があるのなら一度確認してみても良いかもしれません。

特に高齢の女性に多く、閉経後に女性ホルモンが減少する事とも関連性があります。

骨粗しょう症の治療は薬や注射で行えます。

気になる方は整形外科などで相談してみましょう。

自分で行える予防方法としては、食事と運動習慣が重要です。

食事では特にカルシウムの摂取を意識し、運動ではウォーキングなどの運動が効果的です。

骨にストレスのかけすぎはよくありませんが、ある程度のストレスがないと骨は弱くなるものです。

骨粗しょう症予防のために適度な負荷をかける、そのために運動は大事ですよ。

それでは、圧迫骨折の話に戻します。

次は圧迫骨折の一般的な治療法をみていきましょう。

圧迫骨折の治療法

圧迫骨折の治療法は基本的に安静です。

当たり前の話に思えますが、この安静がなかなか難しいのです。

もちろん痛みが強い時期は動くと痛いので、安静にしているのですが、徐々に痛みが取れてくると安静が守れません。

手や足の骨折を思い浮かべてもらうと分かると思いますが、骨折すると何をしますか?

そうです。

一般的な骨折の治療はギプスで固定しますよね?

骨折の治療には、骨折した部分が動かないようにしっかり固定する事が必要なんですが、背骨の部分をどうやって固定しましょうか?

背骨を動かないように固定するのはほとんど無理なんです。

一応、体幹部分をギプス固定する方法もありますが、あまりしている所はみかけません。

通常はコルセットを装着してもらう事で背骨の動きをある程度制限する事になります。

しかし、コルセットを装着したからと言って、骨折部分に負担がかからないかと言うと、そうではありません。

背骨の中で、圧迫骨折でつぶれる椎体と言う部分は上半身の体重を受ける土台のようなものです。

いくらコルセットをしたからといっても、一度起き上がってしまうと自分の体重分の負荷が背骨にはかかってしまいます。

つまり、背骨の安静のためにはコルセットで前後左右の動きを止めつつ、背骨に体重がかからない寝た姿勢でなければならないという事です。

しかし、トイレや食事など生きていく上で必ず行う最低限の動作があるわけで、ずっと寝ているというわけにはいかない所が、圧迫骨折の安静の難しさです。

さて、この安静期間どういう生活を送りますか?

同居の家族でもいれば、食事の準備や洗濯などの家事や炊事を任せて安静にできる人もいるでしょうが、みんながどういうわけにもいきません。

人によっては家族の支援が難しい一人暮らしの人もいるでしょう。

入院する事も一つの選択肢ではありますが、入院するのは嫌と言う人もいるでしょう。

そういう人は安静にしなくてはいけなくても、安静にしていては生活が成り立たないんですね。

このように生活の中でやらなければならない事があれば、痛みが軽くなってきたら動きますよね?

でも、痛みが軽くなったからと言って動き過ぎるのは骨折部に負担がかかりすぎてしまい、結果的に骨の状態が良くなるまでに時間がかかってしまう事に繋がってしまいます。

骨折の治癒には3カ月以上かかる場合が多いのですが、痛みが軽くなって動けるようになる目安は1カ月程度です。

約2カ月間は痛みが軽くなり動けるのですが、骨の状態がまだ良くなっていないのであまり無理をしてはいけない時期なんです。

症状があれば、その痛みが自制として働くのですが、痛みがなくなってくると「治った」と勘違いして、無理をしてしまう(本人は無自覚で)。

そのため、骨折部分がいつまで経っても良くならないという事も起きます。

このように骨がいつまでも良くならずに不安定な状態のままとなる場合は、手術による治療も検討されます。

出来るだけ手術になる事は避けたいでしょうから、やはり普段の生活動作で背骨の負担となる動作を行わないように徹底しなければなりません。

それともう一つ注意点が。

圧迫骨折になる人の大半は高齢者です。

圧迫骨折が治るまでの約3カ月間、安静にしていればどうなりますか?

全身の筋力弱くなり、体力面も低下してしまう事は容易に想像つきます。

せっかく骨折が治っても、次は身体の機能の衰えで寝たきりのようになってしまうリスクがあります。

適量というのが難しくはありますが、痛みが軽くなる1カ月後くらいからは徐々に起きている時間を増やしたり、歩いたりといったリハビリ活動を開始しつつ、骨折部に最も負担がかかる「前かがみ動作」など気をつけながら動かなければなりません。

それでは最後にまとめをして終わりましょう。

まとめ

圧迫骨折は背骨の椎体という部分がつぶれて変形してしまう骨折です。

高齢の女性に多くみられ、起きあがりや立ち上がる時に強い痛みがあり、一度立ってしまえば痛みはあまりないといった痛みの出方の特徴があります。

基本的な治療法はコルセットを装着してからの「安静」になりますが、生活を送る上で完全な安静は難しいため、痛みが強い時期は極力安静に努めつつ、痛みが軽くなったら骨折部に負担がかかる動作(前かがみ)に注意しながら、運動やリハビリを行う事になります。

骨の強度が戻らず不安定な状態のままとなってしまうと手術療法が必要になるかもしれませんので、無理をし過ぎないように注意しましょう。