
投球動作で痛みが出るのを総じて野球肩と表現しますが、野球肩にも色々な原因があります。
まずはご自身で判断せずに整形外科を受診しキチンとした診断を受けた方が良いでしょう。
野球肩の治療方針は、まずは「ノースロー」。
投げる事を一時中断してもらう事からスタートします。
投げ方のどこかに問題があり最終的に肩に負担がかかってしまっていますので、その要因を改善しない事には再発を繰り返してしまいます。
ノースロー期間に問題点を改善し、徐々に投球動作を再開していきましょう。
今回はノースローからの復帰プログラムの一例をご紹介します。
ノースローで治る?
野球肩の場合、基本的に痛みが軽減するまではノースロー(投げない)が原則です。
痛みが出るという事は、傷めている肩の組織に負担をかけるという事なので無理して練習を続けても良くなる事はありません。
ほとんどの場合、症状が悪化して治るまでの期間が長くなってしまいます。
練習が休めないからと無理して続けてしまい、完治するまでに長い時間がかかるようになってしまうケースは多いです
痛みが出てすぐに対処した場合は、痛みも早い段階で引いてくれるので投球が再開できるのも早いです。
投げていないのに痛みがなかなか引かないという話を聞くことがありますが、こういったケースのほとんどが痛みや違和感を無視して、無理矢理練習を続けていた場合や自己判断で痛みが出たら少し休んで、痛みが引いたら練習再開するなど「何故肩が痛くなったのか」の根本的な原因の解決していないケースでしょう。
ノースローで肩の負担を減らす事はもちろんですが、このノースローの期間で何をするかが大事になります。
ノースロー期間と過ごし方
ノースローの期間は症状の程度によりますので個人差があります。
軽症例では1~2週間程度で痛みが引いてくる場合が多いですし、痛みが強い重症例では一カ月もしくはそれ以上かかってしまう場合もあります。
痛みを我慢せずに早く対応した方が復帰までは早くなるという事です。
痛みが引いたら即投球再開というわけではありません。
「何故肩が痛くなってしまったのか」を解決した上で投球を再開しないと、また痛みが再発してしまいます。
肩を痛める原因は様々ありますが、全身を使って力強い球を投げる投球動作は身体全体のしなり(柔軟性)が必要です。
ノースローの期間は柔軟性改善のためのストレッチをしっかり行い、投球動作の負担が身体にかからないような身体作りの期間にしなければなりません。
投げ方に問題がある場合もフォームの修正が必要です。
痛みを再発させずに投球動作の再開を目指すとなると、「身体の柔軟性の改善」と「フォームの修正」がある程度改善できてからになります。
いざ投球再開となりますが、いきなり全力で投げるわけにはいきません。
次の項で投球動作の復帰プログラムをお伝えします。
復帰プログラム例
僕が使う復帰プログラムの一例は以下のようなスケジュールになっています。
①シャドウ
②ネットスロー
③塁間の半分
④塁間
⑤1~3塁間
⑥+10~15m
シャドウピッチングで痛みがない場合は、ノースロー期間中にシャドウでフォームチェック、修正を行っていきます。
投球再開の許可が得られれば、50%程度の軟投から実施し、70~80%→100%の全力で行い、痛みなくできたら次の段階へ進みます。
痛みが出た場合は、一つ前段階に戻って調整します。
球数は20~30球程度から開始し、慣れてきたら徐々に増やしてきましょう。
この復帰プログラムは肩の専門医から教えて頂いたプログラムなので信憑性は高いと思います。
重要なポイントは「痛みが出たら前のプログラムに戻すか一時投球中止」です。
焦りから無理に早めて痛みが再発なんて事になってしまうと、今回のノースロー期間がもったいないでしょ。
焦る気持ちも分かりますが、慎重に進めましょう。
まとめ
野球肩の治療の基本はノースローから始まります。
このノースロー期間に身体の硬さやフォームの修正を行います。
これらの事にキチンと取り組まないと再発を繰り返します。
根本的な問題をしっかり解決しましょう。
投球動作の再開は徐々に始めます。
スローイングプランを参考にしてみて下さい。
注意点は「痛みが出たら前のプログラムに戻すか一時投球中止」ですよ。
それでは今回の内容は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。